「何かしたいけど、何がしたいかわからない」
30代、40代の女性から、この言葉をよく聞きます。育児がひと段落してきた頃、ふと「このままでいいのかな」と思う。でも、じゃあ何をすればいいのかと聞かれると、答えが出ない。
私自身もそうでした。
でも、いろいろな方の話を聞いていくうちに気づいたことがあります。「何がしたいかわからない」と言っている人の中には、実は2つのタイプがいるということです。
まい自分がどちらなのかを知るだけで、次にやるべきことがきっとわかります。
タイプA:本当にやりたいことがわからない人
1つ目は、本当に「何も浮かばない」という人です。
好きなことを聞かれても「特にない」。得意なことを聞かれても「思いつかない」。仕事に求めるものを聞かれても「よくわからない」。
これは、能力がないということではありません。自分のことが一番見えにくい、というだけです。
毎日の生活に追われていると、自分が何を感じているか、何に心が動くかを振り返る時間がなくなります。育児、家事、仕事。目の前のことをこなすだけで一日が終わる。それが何年も続くと、「自分が何をしたいか」という問い自体が遠くなってしまうんです。
このタイプの方に必要なのは、「とりあえず資格を取る」ことでも「転職サイトに登録する」ことでもありません。
自分の棚卸しです。
今までの人生で、どんな仕事をしてきたか。どんな場面で「ちょっと楽しい」と感じたか。逆に、何が嫌だったか。避けてきたことは何か。
地味な作業ですが、これをやると自分の輪郭が少しずつ見えてきます。
実は私自身も、最初から「これがやりたい」という明確なビジョンがあったわけではありません。不安を埋めるように資格を取り始めて、取っていくうちに「法律系が好きだな」「人に伝えることが向いているかも」と、ようやく自分の方向性がぼんやり見えてきた。資格を取るという行動が、結果として自分の棚卸しになっていたんです。
でも、24個も取らなくても大丈夫です(笑)。
私は今、**「お守り資格コーディネート」**というサービスを考えています。その方の経験や志向を一緒に整理した上で、「あなたにはこの資格が合うかもしれない」とご提案するようなもの。資格は目的ではなくて、自分を知るきっかけ。そんな使い方があってもいいと思っています。
タイプB:なんとなくやりたいことはあるのに、動けない人
2つ目は、実は「やりたいこと」のタネをすでに持っている人です。
「手芸が好き」「ものづくりに興味がある」「育児や介護があるから自宅で働きたい」「趣味を仕事にできたらいいな」——こんなふうに、ぼんやりとした「好き」や「こうなりたい」はある。
でも、それをどうやって仕事にすればいいのかがわからない。
このタイプの方に必要なのは、自己分析ではありません。選択肢を知ることです。
「好き」を仕事につなげる道は、実は思っている以上にたくさんあります。いくつか例を挙げてみます。
手芸やものづくりが好きな方
ハンドメイド作品のオンライン販売は、minneやCreemaなどのプラットフォームで始めやすくなっています。「作る」だけでなく、ワークショップの講師、作り方を教えるオンラインレッスン、材料キットの販売など、広げ方はいろいろあります。
自宅で働きたい方
在宅ワークと一口に言っても、Webライター、データ入力、SNS運用代行、オンライン事務、経理代行など幅が広い。自分の経験や得意なことと組み合わせると、意外な選択肢が見つかることがあります。私自身も、資格を持っていたことで在宅ライターとして単価の高い仕事を取ることができました。
人の役に立つことが好きな方
整理収納アドバイザー、カラーコーディネーター、食育関連の資格など、「好き」を専門性に変えて、相談やアドバイスを仕事にする道もあります。資格を取ること自体が自信になり、「私はこの分野の人です」と名乗れるようになります。
介護や福祉に関心がある方
介護の経験から福祉系の仕事に興味を持つ方も多いです。福祉住環境コーディネーター、介護職員初任者研修、保育士など、生活の中で得た実感がそのまま強みになる分野です。
それぞれの道について、具体的な始め方や役立つ資格は今後の記事で詳しく紹介していきます。まずは「こういう道もあるんだ」と知ってもらうだけで十分です。
「踏み出せない」のは、気合の問題じゃない
ここまで読んで、「自分はタイプBだ、やりたいことはある」と思った方の中にも、それでも動けないという方がいると思います。
私の知人に、こんな方がいます。
伝統工芸のワークショップに参加して、そこからどんどんのめり込み、講師ができるくらいの腕前になった方です。一緒に学んだ仲間の中には、自分のお店を開いた人もいます。
でも、その方は踏み出せずにいます。
理由は、体調を崩しやすいこと。そして、子どものことで時間が取られること。
周りが動いているのに自分だけ止まっている。その焦りは、本人が一番感じています。
でも、これは気合が足りないわけでも、やり方が間違っているわけでもない。
体力がなければ、不安で踏み出せないのは当たり前です。子どものことで手いっぱいなら、新しいことに挑戦するエネルギーが残らないのは自然なことです。
こういう時に必要なのは、「もっと頑張る」ことではありません。
まず、生活と身体を落ち着かせることです。
「やりたい」という気持ちは消えません。環境が整った時、体力が回復した時に動ければいい。その時のために、今は情報を集めておくだけでもいい。資格の勉強を1日5分だけやるのでもいい。
焦らなくていい。止まっているように見えても、気持ちがある限り、それは止まっていません。
迷うのは当たり前。大事なのは「自分の迷い方」を知ること
「何がしたいかわからない」は、恥ずかしいことでも、ダメなことでもありません。
ただ、自分がどちらのタイプなのかを知るだけで、次にやることが見えてきます。
本当にわからない人は、まず自分を振り返ることから。なんとなくある人は、選択肢を知ることから。そして、どちらのタイプでも、体調や生活が安定していないなら、そこを整えることが最優先です。
完璧な計画を立ててから動こうとすると、永遠に動けません。でも、小さな一歩なら今日からでも踏み出せます。
このブログが、その一歩目のヒントになれたらうれしいです。
この記事を書いた人:さわだまい。ライター、Web制作会社勤務。24の資格を持ち、現在キャリアコンサルタント国家資格に挑戦中。ブログ「マイログ〜資格とお勉強〜」運営。








