【キャリア支援の専門家】国家資格「キャリアコンサルタント」とは?仕事内容・難易度・なり方を徹底解説

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ブログ案内犬しろちゃん

「人の相談に乗るのが好き」
「誰かのキャリアをサポートする仕事に興味がある」
「人事や人材育成の分野で専門性を高めたい」

まい

そんな思いを持つあなたに、私が今まさに取得しようと頑張っている資格。国家資格「キャリアコンサルタント」をご紹介します。

働き方が多様化し、人生100年時代と言われる現代において、個人のキャリアプランニングを支援する専門家の需要はますます高まっています。キャリアコンサルタントは、まさにその最前線で活躍できる、やりがいの大きな仕事です。

2016年に国家資格化されて以降、企業や教育機関、公的機関など様々な場面でキャリアコンサルタントの活用が進んでいます。政府も企業内でのキャリアコンサルティングの推進を掲げており、今後さらに需要が拡大すると予想されています。

まい

この記事では、キャリアコンサルタントに興味を持ち始めたあなたに向けて、以下の内容を分かりやすく解説していきます。

  • キャリアコンサルタントってどんな仕事?具体的な業務内容は?
  • 試験の難易度や合格率、費用は?
  • 資格を取得するメリットと将来性
  • 養成講座の選び方と試験対策
  • 合格後のキャリアパスと働き方
ブログ案内犬しろちゃん

最後まで読めば、「自分もキャリアコンサルタントを目指せそう!」と具体的なイメージが湧いてくるはずです。

この記事でわかること

キャリアコンサルタントってどんなお仕事?役割を詳しく解説

キャリアコンサルタントは、個人のキャリアに関する相談を受け、自己理解を深め、その人らしいキャリアを歩んでいけるように支援する専門家です。

単に「仕事を紹介する」だけではなく、相談者の価値観、興味、能力、適性を引き出し、主体的なキャリア選択ができるようサポートします。まさに「キャリアの伴走者」として、その人の人生に寄り添う役割を担います。

キャリアコンサルタントの定義(法律上)

まい

職業能力開発促進法において、キャリアコンサルタントは以下のように定義されています。

「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことを職業とする者」

つまり、仕事の選択からキャリアの設計、スキルアップまで、働く人のキャリア全般をサポートする専門職です。

主な業務内容

キャリアコンサルタントの業務は、活躍の場によって多様ですが、大きく以下のように分類できます。

1. 個人へのキャリアカウンセリング

相談者と1対1で向き合い、キャリアの悩みや課題を解決するサポートを行います。

自己理解の支援
  • 自己分析のサポート(強み、興味、価値観、能力の明確化)
  • キャリア・アンカー(仕事で大切にしたい価値観)の発見
  • 適性検査やアセスメントツールの活用
キャリアプランニングの支援
  • 中長期的なキャリアビジョンの構築
  • 具体的なアクションプランの作成
  • キャリアの選択肢の提示と意思決定のサポート
転職・就職支援
  • 応募書類(履歴書・職務経歴書)の添削
  • 面接対策・模擬面接の実施
  • 求人情報の提供、企業研究のサポート
キャリアの節目での支援
  • 新卒者の就職活動支援
  • 転職・キャリアチェンジのサポート
  • 育児・介護からの復職支援
  • 定年後のセカンドキャリア支援

2. 企業内での役割

企業の人事・教育部門で、社員のキャリア開発を支援します。

社員のキャリア開発支援

  • 定期的なキャリア面談の実施
  • キャリアパスの提示と育成計画の作成
  • 社員の適性に応じた配置・異動の提案

キャリア研修の企画・実施

  • 新入社員研修、中堅社員研修、管理職研修
  • キャリアデザイン研修
  • ライフキャリア研修(仕事と私生活の両立)

組織開発・制度設計

  • 人事評価制度の構築サポート
  • 社内公募制度の運用支援
  • キャリアパスの可視化

メンタルヘルス対応

  • 働き方の悩み相談
  • 職場適応支援
  • 休職者の復職支援

3. 教育機関での役割

大学、専門学校、高校などで、学生のキャリア教育・就職支援を行います。

就職支援

  • 個別相談(進路相談、就職活動の悩み相談)
  • 応募書類の添削、面接練習
  • 就職ガイダンス・セミナーの実施
  • 企業とのマッチング支援

キャリア教育

  • キャリアデザイン授業の担当
  • インターンシップのサポート
  • 業界・職種研究の指導

4. 公的機関での役割

ハローワーク、ジョブカフェ、地域若者サポートステーションなどで、求職者を支援します。

求職者支援

  • 職業相談、キャリアカウンセリング
  • 求人情報の提供、職業紹介
  • 職業訓練の案内
  • 応募書類作成・面接対策

特定層への支援

  • 若年層(新卒・第二新卒)の就職支援
  • ミドル・シニア層の再就職支援
  • 女性の就業・再就業支援
  • 障害者の就労支援

5. 人材サービス企業での役割

人材紹介、人材派遣、転職エージェントなどで活躍します。

  • 求職者のキャリアカウンセリング
  • 企業と求職者のマッチング
  • キャリアアドバイスの提供
  • 転職市場の情報提供

6. 独立・フリーランス

経験を積んだ後、独立して活動するキャリアコンサルタントも増えています。

  • 個人向けキャリアコンサルティング
  • 企業への研修・コンサルティング
  • キャリアコンサルタント養成講座の講師
  • 執筆、講演活動

相談者の人生の岐路に立ち会い、「あなたのおかげで道が開けた」「自分のやりたいことが見つかった」と感謝されることも多い、社会貢献性の高いやりがいのあるお仕事です。

キャリアコンサルタント試験とは?難易度・合格率・費用を徹底解説

キャリアコンサルタントは、名称独占の国家資格です。試験に合格し、国家資格キャリアコンサルタント名簿に登録しなければ「キャリアコンサルタント」と名乗ることはできません。

試験の基本情報

項目詳細
資格の種類国家資格(名称独占資格)
受験資格次のいずれかを満たす必要あり<br>①厚生労働大臣認定の養成講座修了<br>②キャリアコンサルティング実務経験3年以上<br>③技能検定キャリアコンサルティング職種合格者
難易度★★☆(普通〜やや難)
合格率学科:60〜70%前後<br>実技(論述):70〜80%前後<br>実技(面接):60〜70%前後<br>※学科・実技同時受験での一発合格率は約50%
受験費用学科試験:8,900円<br>実技試験(論述+面接):29,900円<br>合計:38,800円
試験日年3回実施(3月、7月、11月)
試験実施団体日本キャリア開発協会(JCDA)<br>キャリアコンサルティング協議会
登録費用登録免許税:9,000円<br>登録手数料:8,000円
更新5年ごとに更新が必要(更新講習の受講)

試験内容の詳細

学科試験

出題形式:四肢択一(マークシート)50問 試験時間:100分 合格基準:100点満点中70点以上

出題範囲

  1. キャリアコンサルティングの社会的意義(役割、倫理、法律知識)
  2. キャリアコンサルティングを行うために必要な知識
    • カウンセリング理論(ロジャーズ、スーパー、ホランドなど)
    • キャリアに関する理論
    • 発達心理学
    • グループアプローチの理論と技法
  3. キャリアコンサルティングを行うために必要な技能
    • カウンセリング技法
    • アセスメント技法
  4. キャリアコンサルタントの自己研鑽及び倫理

重要な知識分野

  • カウンセリング理論(ロジャーズの来談者中心療法)
  • キャリア理論(スーパーのライフキャリア・レインボー、ホランドの六角形モデルなど)
  • 労働関係法規(労働基準法、労働契約法、男女雇用機会均等法など)
  • 労働市場や雇用の動向

実技試験(論述)

出題形式:記述式 試験時間:50分 合格基準:150点満点中90点以上

内容

  • 事例記録(逐語録)を読んで設問に答える
  • 相談者の問題点の把握、見立て(アセスメント)
  • キャリアコンサルタントとしての対応方針
  • 具体的な支援方法の提案

評価ポイント

  • 相談者の主訴や問題を正確に把握しているか
  • 適切な見立て(アセスメント)ができているか
  • 具体的で実行可能な支援方針を立てられているか
  • キャリアコンサルティングの理論や知識が活用されているか

実技試験(面接・ロールプレイング)

出題形式:口頭試問(ロールプレイング+口頭試問) 試験時間:20分(ロールプレイ15分+口頭試問5分) 合格基準:150点満点中90点以上

内容

  1. ロールプレイング(15分)
    • 試験官がクライエント役、受験者がキャリアコンサルタント役
    • 事前に渡される事例設定に基づいてキャリアカウンセリングを実施
    • 相談者の話を傾聴し、問題を明確化し、支援する
  2. 口頭試問(5分)
    • ロールプレイング終了後、自分の対応について振り返りを述べる
    • 「どのような意図でその質問をしたか」「相談者の主訴は何だと考えたか」など

評価ポイント

  • 傾聴力:相談者の話を共感的に聴けているか
  • 質問力:適切な質問で相談者の自己理解を深められているか
  • 関係構築力:信頼関係(ラポール)を築けているか
  • 問題把握力:相談者の主訴や問題を正確に把握しているか
  • 具体的展開力:相談者に合った具体的な支援ができているか

試験実施団体の違い

キャリアコンサルタント試験は2つの団体が実施しています。

団体特徴
日本キャリア開発協会(JCDA)相談者の「自己概念」を重視。相談者の内面的な気づきや自己理解を深めることを重視する傾向
キャリアコンサルティング協議会より実務的・問題解決志向。具体的な行動計画の立案を重視する傾向

重要:どちらの団体で受験しても、取得できる資格は同じ「国家資格キャリアコンサルタント」です。養成講座の団体に合わせて受験することが多いですが、どちらでも受験可能です。

合格率の推移と傾向

学科試験:60〜70%前後 実技(論述):70〜80%前後 実技(面接):60〜70%前後

学科・実技の同時受験での一発合格率は約50%です。つまり、2人に1人は一発合格しています。

不合格だった科目のみを再受験できるため、複数回の受験で最終的に合格する方も多くいます。養成講座でしっかり学び、試験対策をすれば、十分合格可能な難易度です。

受験資格の取得方法

ほとんどの方が①養成講座の修了で受験資格を得ています。

①厚生労働大臣認定の養成講座を修了する(最も一般的)

標準時間:140時間以上 期間:約3〜6ヶ月 費用:30万円〜40万円程度

養成講座では、キャリアコンサルティングに必要な理論、カウンセリングスキル、法律知識などを体系的に学びます。ロールプレイングなどの実践的な訓練も豊富です。

②キャリアコンサルティングの実務経験3年以上

企業の人事部門、大学のキャリアセンター、人材紹介会社などでキャリア相談業務に3年以上従事していれば、養成講座を受けずに受験可能です。

ただし、試験対策としては養成講座の受講が有効なため、実務経験がある方も養成講座を受講するケースが多いです。

③技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格

キャリアコンサルティング技能士(1級・2級)の試験に一部でも合格していれば受験資格があります。

公式情報サイト

キャリアコンサルタント資格を取得するメリット・将来性

資格取得の8つの大きなメリット

1. 国が認めた専門家としての信頼

国家資格保有者として、企業や相談者からの信頼が得られます。「キャリアコンサルタント」という肩書きは、専門性の証明になります。

2. 活躍の場が幅広い

企業、教育機関、公的機関、人材サービス企業、独立開業など、多様なフィールドで活躍できます。キャリアコンサルタントの活動領域は年々広がっています。

3. 人事・人材開発での専門性向上

企業の人事部門、教育・研修部門で働く方にとって、キャリアコンサルタント資格は専門性を高める強力な武器になります。昇進・昇格にもプラスに働きます。

4. 副業・複業として活用できる

平日は企業で働きながら、週末にキャリアカウンセリングを行うなど、副業・複業として活動しやすい資格です。

5. 自分自身のキャリアにも活かせる

キャリア理論や自己分析の手法を学ぶことで、自分自身のキャリアプランニングにも役立ちます。人生100年時代を主体的に生きる力が身につきます。

6. 社会貢献性が高い

人の人生に深く関わり、その人らしいキャリアを歩む支援ができる、社会的意義の高い仕事です。「ありがとう」と感謝される喜びがあります。

7. 年齢を重ねても活躍できる

人生経験豊富な方ほど、相談者に寄り添った支援ができます。定年後のセカンドキャリアとしても人気です。50代、60代から資格を取得する方も多くいます。

8. 教育訓練給付金の対象

厚生労働大臣認定の養成講座の多くは、教育訓練給付金(専門実践教育訓練)の対象です。受講費用の最大70%(上限56万円)が支給される場合があります。

将来性と社会的ニーズ

政府の後押し

政府は「キャリア形成支援制度導入企業の増加」を政策目標に掲げており、企業内でのキャリアコンサルティングの推進を進めています。従業員300人以上の企業では、キャリアコンサルタントの配置が推奨されています。

働き方改革・人生100年時代

  • 多様な働き方の広がり(副業、リモートワーク、フリーランス)
  • 人生100年時代におけるキャリアの長期化
  • ミドル・シニア層のキャリアチェンジ
  • 女性のキャリア支援
  • リスキリング(学び直し)の必要性

これらの社会的背景により、キャリア支援の専門家へのニーズは今後さらに高まると予想されています。

活躍の場の拡大

  • 企業内キャリアコンサルタント:社員のキャリア開発、離職防止
  • 大学・教育機関:就職支援、キャリア教育の充実
  • 公的機関:雇用対策、リカレント教育の推進
  • オンラインキャリア相談:場所を選ばないキャリア支援
  • 副業・複業支援:多様な働き方のサポート

キャリアコンサルタントの活躍の場は、今後さらに多様化していくでしょう。

養成講座の選び方とおすすめ講座

キャリアコンサルタントになるには、まず厚生労働大臣認定の養成講座を修了するのが一般的です。養成講座は複数あり、それぞれ特色が異なります。

養成講座の基本情報

標準時間:140時間以上(通学+通信の組み合わせが一般的) 期間:約3〜6ヶ月 費用:30万円〜40万円程度 形態:通学、オンライン、通学+オンラインの組み合わせ

主要な養成講座の比較

実施団体費用(税込)期間特徴
日本マンパワー約40万円3〜6ヶ月最大手。通学・オンライン選択可。実績豊富
リカレント約30万円〜3〜4ヶ月少人数制。実践重視。通学・オンライン選択可
ヒューマンアカデミー約35万円3〜6ヶ月全国展開。通いやすい。オンライン対応
LEC東京リーガルマインド約30万円〜3〜6ヶ月資格学校大手。試験対策が充実
パソナ約35万円3〜4ヶ月人材サービス大手のノウハウ
日本キャリア開発協会(JCDA)約40万円3〜6ヶ月試験実施団体。理論重視

養成講座の選び方のポイント

1. 通学 or オンライン

通学のメリット

  • 講師や受講生と直接交流できる
  • ロールプレイングの実践練習が充実
  • モチベーションを維持しやすい

オンラインのメリット

  • 自宅で学習できる(移動時間不要)
  • 地方在住者も受講しやすい
  • 仕事との両立がしやすい

おすすめ:可能であれば、通学とオンラインを組み合わせた講座が理想的です。

2. 教育訓練給付金の対象か

多くの養成講座が「専門実践教育訓練給付金」の対象です。条件を満たせば受講費用の最大70%(上限56万円)が支給されます。

対象者:雇用保険に3年以上(初回は2年以上)加入している方

3. 試験実施団体との相性

JCDAとキャリアコンサルティング協議会のどちらで受験するか、養成講座の傾向と合わせて検討しましょう。

4. 修了後のサポート

  • 試験対策講座の有無
  • 合格後のフォローアップ研修
  • コミュニティやネットワーク
  • 就職支援の有無

5. 受講生の口コミ・実績

  • 合格率
  • 修了生の声
  • 講師の質

教育訓練給付金の活用

専門実践教育訓練給付金を利用すれば、受講費用の負担を大幅に軽減できます。

給付額

  • 受講費用の50%(上限40万円)
  • 資格取得し、1年以内に就職すれば追加で20%(上限16万円)
  • 合計で最大70%(上限56万円)

申請方法

  1. 受講開始1ヶ月前までにハローワークで手続き
  2. 受講修了後、ハローワークに申請
  3. 給付金が指定口座に振り込まれる

詳しくは:最寄りのハローワークまたは厚生労働省のウェブサイトで確認してください。

試験対策と合格のための学習戦略

学習スケジュールの立て方

【養成講座受講中(3〜6ヶ月)】

養成講座のカリキュラムに沿って、理論とスキルを体系的に学びます。

1〜2ヶ月目:基礎知識のインプット

  • キャリア理論、カウンセリング理論の学習
  • 労働関係法規の理解
  • ロールプレイングの基礎練習

3〜4ヶ月目:実践スキルの習得

  • ロールプレイングの反復練習
  • ケーススタディの分析
  • グループワークでの学び合い

5〜6ヶ月目:試験対策

  • 過去問演習
  • 論述練習
  • ロールプレイング試験の模擬練習

【試験直前1〜2ヶ月】

学科試験対策

  • 過去問を繰り返し解く(3〜5年分)
  • 重要理論・法規の暗記
  • 苦手分野の集中学習

実技(論述)対策

  • 事例記録の読み込み練習
  • 時間内に論述を完成させる練習
  • 見立て(アセスメント)の精度向上

実技(面接)対策

  • ロールプレイングの反復練習(週2〜3回)
  • 録画・録音して自分の面接を振り返る
  • 仲間同士で練習し、フィードバックし合う

科目別の学習ポイント

学科試験

重要度★★★★★の分野

  • カウンセリング理論(ロジャーズ、マイクロカウンセリング)
  • キャリア理論(スーパー、ホランド、クランボルツ、シャイン)
  • 労働関係法規(労働基準法、労働契約法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法)

頻出理論家

  • カール・ロジャーズ(来談者中心療法)
  • ドナルド・スーパー(ライフ・キャリア・レインボー、ライフステージ理論)
  • ジョン・ホランド(六角形モデル、RIASEC理論)
  • ジョン・クランボルツ(計画的偶発性理論)
  • エドガー・シャイン(キャリア・アンカー)

学習のコツ

  • 理論家の名前と理論内容をセットで覚える
  • 図やイラストで視覚的に理解する
  • 過去問で出題パターンを把握する

実技(論述)試験

評価されるポイント

  1. 相談者の主訴を正確に把握しているか
  2. 適切な見立て(問題の背景、心理状態)ができているか
  3. 具体的で実行可能な支援方針を立てられているか
  4. キャリア理論や知識が適切に活用されているか
  5. 相談者の自己決定を尊重しているか

学習のコツ

  • 事例記録(逐語録)を数多く読む
  • 相談者の言葉の裏にある「本当の気持ち」を読み取る練習
  • 50分という時間内で書き上げる練習
  • 過去の論述問題を繰り返し解く

論述の構成例

  1. 相談者の主訴・問題の把握(何に困っているか)
  2. 見立て(なぜそうなっているか、背景は何か)
  3. 支援の方針(どのようにサポートするか)
  4. 具体的な支援方法(次回の面談でどう進めるか)

実技(面接・ロールプレイング)試験

評価される5つの力

  1. 関係構築力
    • 相談者が安心して話せる雰囲気をつくれているか
    • 信頼関係(ラポール)を築けているか
  2. 傾聴力
    • 相談者の話を共感的に聴けているか
    • 適切な相槌、うなずき、間の取り方ができているか
    • 相談者の感情に寄り添えているか
  3. 質問力
    • 相談者の自己理解を深める質問ができているか
    • オープン・クエスチョン(開かれた質問)を適切に使えているか
    • 誘導的な質問になっていないか
  4. 問題把握力
    • 相談者の主訴を正確に把握できているか
    • 問題の本質を見抜けているか
  5. 具体的展開力
    • 相談者に合った具体的な支援を提案できているか
    • 次のステップを明確にできているか

よくある失敗パターン

アドバイス・説教型

  • 「〜すべき」「〜した方がいい」と一方的にアドバイス
  • 相談者の自己決定を尊重していない

質問攻め型

  • 質問ばかりで、相談者の話を十分に聴いていない
  • 相談者が尋問されているように感じる

共感のし過ぎ型

  • 相談者に同情しすぎて、一緒に落ち込んでしまう
  • 感情移入しすぎて客観性を失う

沈黙が怖い型

  • 沈黙を恐れて、次々と話してしまう
  • 相談者が考える時間を奪ってしまう

合格するためのポイント

相談者の話をまず十分に聴く

  • 最初の5分は、じっくり話を聴くことに集中

適切な質問で自己理解を深める

  • 「どう感じましたか?」「そのとき何を考えましたか?」

要約・言い換えで理解を確認

  • 「つまり〇〇ということですね」と要約する

沈黙を恐れない

  • 相談者が考えている時間は、大切なプロセス

最後に次のステップを確認

  • 「次回までに〇〇について考えてみましょう」

練習方法

  • 仲間同士でロールプレイングを繰り返す(週2〜3回)
  • 自分の面談を録画・録音して振り返る
  • 養成講座の模擬試験を活用する
  • フィードバックを素直に受け入れる

試験直前1週間の過ごし方

学科試験

  • 重要理論・法規の最終確認
  • 過去問で苦手分野を復習
  • 新しいことは覚えず、今までの総復習

実技(論述)

  • 過去問を時間を計って解く
  • 論述の型を再確認
  • 時間配分の練習

実技(面接)

  • ロールプレイングの最終練習
  • 基本姿勢(傾聴・共感・質問)の確認
  • イメージトレーニング

体調管理

  • 睡眠をしっかり取る
  • 無理をせず、リラックスする時間も大切に

キャリアコンサルタントのリアルな働き方と収入事情

働き方のパターン

1. 企業内キャリアコンサルタント(正社員)

勤務先:一般企業の人事部、教育・研修部門

業務内容

  • 社員のキャリア面談
  • キャリア研修の企画・実施
  • 人材育成計画の策定

勤務時間:9:00〜18:00(土日休み) 年収:400万円〜700万円

メリット

  • 安定した雇用と収入
  • 社会保険完備
  • 企業の中核業務に関われる

デメリット

  • キャリアコンサルティング以外の業務も担当
  • 異動や転勤の可能性

2. 大学・教育機関のキャリアセンター

勤務先:大学、専門学校、高校のキャリアセンター

業務内容

  • 学生の個別キャリア相談
  • 就職ガイダンス・セミナーの実施
  • 企業との連絡・調整

勤務時間:9:00〜18:00(学校の長期休暇あり) 年収:350万円〜600万円

メリット

  • 学生の成長を間近で見られる
  • 教育的な意義が高い
  • 長期休暇がある

デメリット

  • 就職活動シーズンは多忙
  • 契約社員・嘱託職員の場合も多い

3. 公的機関(ハローワーク、ジョブカフェなど)

勤務先:ハローワーク、ジョブカフェ、地域若者サポートステーション

業務内容

  • 求職者のキャリアカウンセリング
  • 職業紹介
  • 就職支援セミナーの実施

勤務時間:9:00〜18:00(土日休み) 年収:300万円〜500万円(契約職員が多い)

メリット

  • 多様な相談者と接することができる
  • 社会貢献性が高い
  • 安定している

デメリット

  • 契約社員(非正規)が多い
  • 給与水準はやや低め

4. 人材サービス企業(転職エージェント、人材紹介会社)

勤務先:人材紹介、人材派遣、転職エージェント

業務内容

  • 求職者のキャリアカウンセリング
  • 企業とのマッチング
  • 転職支援

勤務時間:9:00〜18:00(企業カレンダーに準ずる) 年収:400万円〜800万円(成果報酬あり)

メリット

  • 高収入が期待できる
  • 多様な業界・職種の知識が身につく
  • 転職市場の最新動向を把握できる

デメリット

  • 営業的な側面も求められる
  • 成果目標がある
  • 相談者とじっくり向き合う時間が限られる場合も

5. 独立・フリーランス

働き方:個人事業主として独立

業務内容

  • 個人向けキャリアカウンセリング
  • 企業への研修・コンサルティング
  • キャリアコンサルタント養成講座の講師
  • 執筆、講演活動

年収:200万円〜1,000万円以上(実力次第)

メリット

  • 働く時間・場所を自由に選べる
  • 自分のスタイルでキャリア支援ができる
  • 収入の上限がない

デメリット

  • 収入が不安定
  • 営業・集客を自分で行う必要がある
  • 社会保険、経理などすべて自己管理

6. 副業・複業キャリアコンサルタント

働き方:本業を持ちながら、週末や夜間に活動

業務内容

  • オンラインキャリア相談
  • 週末セミナー講師
  • キャリア相談プラットフォームへの登録

収入:月3万円〜20万円程度(活動量による)

メリット

  • 本業の収入があるため安定
  • 自分のペースで活動できる
  • 多様な経験が積める

デメリット

  • 時間管理が難しい
  • 体力的に大変な場合も

実際の声:キャリアコンサルタントとして働く人たちの体験談

Aさん(30代女性・企業内キャリアコンサルタント) 「人事部で社員のキャリア面談を担当しています。『自分のやりたいことが見つかった』と社員から言われたときは、本当に嬉しいです。会社の人材育成にも深く関われ、やりがいがあります」

Bさん(40代男性・大学キャリアセンター) 「学生の就職支援をしています。『先生のおかげで内定をもらえました!』と報告に来てくれる学生の笑顔が何よりの報酬です。教育的な仕事に転職できて本当に良かったです」

Cさん(50代女性・独立開業) 「企業で人事を20年経験した後、独立してキャリアコンサルタントとして活動しています。自分のペースで相談者と向き合え、企業研修の依頼も増えてきました。セカンドキャリアとして最適な選択でした」

Dさん(20代女性・副業キャリアコンサルタント) 「平日は人材会社で働き、週末にオンラインでキャリア相談を受けています。本業の経験も活かせて、副収入も得られる。今後は独立も視野に入れています」

キャリアコンサルタントに向いている人・求められるスキル

こんな人がキャリアコンサルタントに向いています

1. 人の話を聴くのが好きな人

相談者の話に耳を傾け、共感的に理解することが基本です。話すことより聴くことが得意な方に向いています。

2. 人の成長を支援したいという気持ちがある人

「誰かの役に立ちたい」「人の可能性を引き出したい」という奉仕の精神が、この仕事の原動力になります。

3. 自分自身のキャリアに関心がある人

自分自身のキャリアを真剣に考えた経験がある方は、相談者の気持ちに寄り添いやすくなります。

4. 学び続ける姿勢がある人

キャリア理論や労働市場は常に変化します。新しい知識を学び続ける意欲が大切です。

5. 人生経験が豊富な人

様々な人生経験(転職、育児、介護、挫折など)は、相談者理解の大きな財産になります。40代、50代からの挑戦も十分可能です。

6. 中立的な立場を保てる人

自分の価値観を押し付けず、相談者の自己決定を尊重できる方が向いています。

7. 粘り強さと忍耐力がある人

すぐに結果が出ないこともあります。相談者のペースに合わせて、粘り強く支援できることが大切です。

求められる基本スキル

  • 傾聴力:相談者の話を共感的に聴く
  • 質問力:適切な質問で自己理解を深める
  • 観察力:言葉だけでなく、表情や仕草から気持ちを読み取る
  • 分析力:問題の本質を見抜く
  • コミュニケーション能力:分かりやすく説明し、信頼関係を築く
  • 情報収集力:労働市場、職業情報、制度などの情報を集める
  • 倫理観:守秘義務を守り、相談者の利益を最優先する

これらは特別な才能ではなく、養成講座や実践を通じて身につけられるスキルです。

よくある質問(Q&A)

Q1. キャリアコンサルタントに年齢制限はありますか?

A. 年齢制限は一切ありません。20代から70代まで幅広い年齢層の方が活躍しています。特に40代、50代以降の豊富な人生経験は、相談者に寄り添った支援の大きな強みになります。

Q2. 心理学の知識がなくても大丈夫ですか?

A. 大丈夫です。養成講座で必要なカウンセリング理論や心理学の基礎を学びます。心理学専攻でない方も多く合格しています。

Q3. 資格取得にどれくらいの期間と費用がかかりますか?

A. 養成講座の受講期間は約3〜6ヶ月、費用は30〜40万円程度です。教育訓練給付金を利用すれば、最大70%の給付を受けられる場合があります。

Q4. 実務経験がなくても就職できますか?

A. 資格を取得すれば、未経験でも就職のチャンスはあります。ただし、養成講座での実践訓練や、ボランティアでのキャリア相談経験などがあると有利です。

Q5. キャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントの違いは?

A. 「キャリアコンサルタント」は国家資格の名称で、名称独占資格です。一方、「キャリアカウンセラー」は一般的な呼称で、特定の資格を指すものではありません。

Q6. 副業でキャリアコンサルタントとして活動できますか?

A. はい、可能です。週末にオンラインでキャリア相談を受けたり、セミナー講師をしたりと、副業・複業として活動している方も多くいます。

Q7. 臨床心理士やカウンセラーとの違いは?

A. 臨床心理士は心の病気やメンタルヘルスの専門家で、心理療法を行います。キャリアコンサルタントは「働くこと」に焦点を当てたキャリア支援の専門家です。対象とする領域が異なります。

Q8. 更新が必要ですか?

A. はい。5年ごとに更新が必要です。更新には、厚生労働大臣が認定する更新講習(知識講習8時間+技能講習30時間)を受講する必要があります。

Q9. 独立して食べていけますか?

A. 実力と営業力次第ですが、独立して成功している方もいます。ただし、最初は副業から始め、徐々に独立するのが現実的です。企業研修や講師業など、複数の収入源を持つことが重要です。

Q10. キャリアコンサルタントの需要は今後も続きますか?

A. はい。働き方改革、人生100年時代、リスキリングの推進など、社会的な背景からキャリア支援の専門家の需要は今後さらに高まると予想されています。

資格取得から活躍までのロードマップ

ステップ1:情報収集・準備(1〜2週間)

  • キャリアコンサルタントの仕事内容を理解する
  • 養成講座を比較検討する
  • 教育訓練給付金の対象か確認
  • 受講費用を準備する
  • 受講期間中のスケジュールを調整

ステップ2:養成講座の受講(3〜6ヶ月)

  • キャリア理論、カウンセリング理論を学ぶ
  • ロールプレイングで実践スキルを習得
  • グループワークで仲間と学び合う
  • 課題レポートを提出
  • 修了試験に合格

ステップ3:国家試験の受験・合格

  • 試験申込(試験の約2ヶ月前)
  • 学科試験・実技試験の対策
  • 試験受験
  • 合格発表(試験の約1ヶ月後)

ステップ4:キャリアコンサルタント登録

  • 登録申請書の提出
  • 登録免許税・手数料の支払い
  • キャリアコンサルタント登録証が届く
  • これで初めて「キャリアコンサルタント」を名乗れます

ステップ5:実務経験を積む

  • 企業、教育機関、公的機関などで就業
  • ボランティアでキャリア相談を経験
  • スーパービジョン(指導を受けること)を活用
  • キャリアコンサルタントのコミュニティに参加

ステップ6:継続学習とキャリアアップ

  • 更新講習の受講(5年ごと)
  • 上位資格「キャリアコンサルティング技能士(1級・2級)」を目指す
  • 専門領域を深める(若年層支援、ミドル・シニア支援、女性支援など)
  • 独立開業やフリーランスとして活動

ポイント:資格取得はゴールではなくスタートです。実務経験を積みながら、継続的に学び続けることが大切です。

キャリアコンサルタントとして成功するための7つの秘訣

1. 自分自身のキャリアをしっかり振り返る

相談者を支援する前に、まず自分自身のキャリアを深く振り返りましょう。自分の経験が相談者理解の大きな財産になります。

2. 相談者の話を「聴く」ことに集中する

「話す」ことより「聴く」ことの方がはるかに重要です。相談者の話を最後までじっくり聴く姿勢を大切にしましょう。

3. 相談者の自己決定を尊重する

答えを教えるのではなく、相談者が自分で答えを見つけられるようサポートすることが本質です。

4. 継続的に学び続ける

キャリア理論、労働市場、制度など、常に最新の情報にアップデートしましょう。読書、研修、勉強会への参加が大切です。

5. 仲間とのネットワークを大切にする

養成講座で出会った仲間、キャリアコンサルタントのコミュニティは貴重な財産です。情報交換や相互学習の場を持ちましょう。

6. スーパービジョンを受ける

経験豊富なキャリアコンサルタントから指導を受けることで、自分のスキルを客観的に振り返り、向上させることができます。

7. 自分の専門領域を持つ

若年層支援、ミドル・シニア支援、女性のキャリア支援、グローバル人材支援など、自分の強みとなる専門領域を持つことが差別化につながります。

まとめ:キャリアコンサルタントは人生を豊かにする仕事

キャリアコンサルタントは、人の人生に深く寄り添い、その人らしいキャリアを歩む支援ができる、非常にやりがいのある専門職です。

  • 国家資格としての信頼性と専門性
  • 活躍の場が幅広い:企業、教育機関、公的機関、独立開業
  • 社会貢献性が高い:人の人生の岐路を支援
  • 年齢を重ねても活躍できる:人生経験が強みになる
  • 自分自身のキャリアにも活かせる:学んだ知識は一生の財産

「人の相談に乗るのが好き」「誰かの成長を支援したい」「人事・人材育成の専門性を高めたい」

そんな思いを持っているなら、キャリアコンサルタントという選択肢をぜひ検討してみてください。

資格取得には時間も費用もかかりますが、それに見合うだけの専門性と社会的な需要があります。

まずは気軽に、養成講座の説明会に参加してみる、キャリアコンサルタントとして活躍している方の話を聞いてみる、資料請求をしてみる…どんな小さな一歩でも構いません。

あなたの「誰かの役に立ちたい」という思いを、ぜひ行動に変えてみてください。

相談者から「あなたに相談してよかった」「道が開けた」と感謝される喜び、人の可能性を引き出すやりがい、そして何より「自分の専門性で人の人生を支えている」という誇り。

キャリアコンサルタントの世界は、それらすべてを手に入れるチャンスを、あなたに差し出しています。

新しいキャリアへの第一歩を、心から応援しています!


【参考リンク集】

公式情報

主要な養成講座

教育訓練給付金

キャリアコンサルタントの団体

関連資格


この記事が、あなたの新しいキャリアの第一歩になることを願っています。頑張ってください!

最終更新:2025年10月(試験情報や制度は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください)

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さわだ まい
資格好きの主婦
行政書士・宅建士・FP・保育士・危険物などいろいろな資格を持っています。
6歳5歳の育児の傍ら、更なる資格取得にチャレンジします。
この記事でわかること