「何か手に職をつけたいな…」「家庭と両立できる、安定した仕事がしたい」
そんなふうに考えているなら、医療事務というお仕事を選択肢に入れてみませんか?
医療事務は、全国どこのクリニックや病院でも必要とされる専門職でありながら、未経験からでもチャレンジしやすいのが大きな魅力です。しかも、景気に左右されにくく、年齢を重ねても長く働き続けられる安定性も兼ね備えています。
この記事では、医療事務に興味を持ち始めたあなたに向けて、以下の内容を分かりやすく解説していきます。
- 医療事務ってどんな仕事?具体的な業務内容は?
- 資格は必要?どんな種類があるの?
- 各資格の難易度や合格率、費用の比較
- 資格を取るメリットとおすすめの勉強法
- 医療事務として働くリアルな現場の声
最後まで読めば、「自分にも医療事務が目指せそう!」と具体的なイメージが湧いてくるはずです。
医療事務ってどんなお仕事?仕事内容を詳しく解説
医療事務の主な仕事は、病院やクリニックの**「縁の下の力持ち」**として、医療現場の運営をサポートすることです。医師や看護師が診療に集中できるよう、事務面から医療機関を支える重要な役割を担います。
主な業務内容
1. 受付・会計業務
患者さんが最初に接する「病院の顔」としての役割です。
- 患者さんの受付対応:診察券や保険証の確認、初診・再診の手続き
- 電話対応:予約の受付、問い合わせ対応、診療時間の案内
- 予約管理:診療予約のスケジュール調整、予約変更・キャンセル対応
- 診療費の計算と会計:診療内容に基づいた診療費の計算、会計処理
- カルテ管理:患者情報の入力、カルテの整理・保管
患者さんの不安を和らげる温かい対応や、スムーズな案内が求められます。接客スキルやコミュニケーション能力が活かせる業務です。
2. レセプト(診療報酬明細書)作成業務
医療事務の専門性の中核となる業務です。
レセプトとは、患者さんが支払う自己負担額(通常1〜3割)以外の医療費を、健康保険組合や国民健康保険などに請求するための書類のこと。毎月月初に前月分をまとめて作成し、審査支払機関に提出します。
- 診療報酬点数の算定:診療内容を診療報酬点数表に基づいて点数化
- レセプトの作成・点検:医療費明細を正確に記載し、記載漏れやミスがないか確認
- 電子レセプトの送信:専用システムを使用してデータ送信
- 返戻・査定への対応:審査機関から返戻された場合の修正対応
この業務には医療保険制度や診療報酬の専門知識が必要で、正確性と細やかな注意力が求められます。病院の収入に直結する重要な仕事のため、経験を積むほど頼られる存在になれます。
3. その他の業務
医療機関によっては、以下のような業務も担当することがあります。
- 外来クラーク業務:診療科での患者誘導、診察補助
- 病棟クラーク業務(入院施設がある場合):入退院手続き、入院費の計算
- 医師事務作業補助:診断書・紹介状などの文書作成補助
- 健康診断の事務:予約管理、結果入力、請求業務
このように医療事務の仕事は多岐にわたり、**医療現場全体を支える「なくてはならない存在」**なのです。
医療事務に資格は必須?取得するメリットとは
資格がなくても働ける?
実は、医療事務として働くために必須の国家資格はありません。理論上は無資格でも医療事務の仕事に就くことは可能です。
しかし現実には、レセプト業務をはじめとした専門的な知識が求められるため、多くの医療機関で民間資格の取得者が優遇される傾向にあります。特に未経験者の場合、資格がないと採用のハードルが高くなることも少なくありません。
資格を取得する5つのメリット
1. 就職・転職で圧倒的に有利になる
求人の応募条件に「医療事務資格保有者優遇」と記載されているケースが多く、書類選考の段階で差がつきます。同じ未経験者でも、資格保有者の方が採用される可能性は格段に高まります。
2. 基本的な知識とスキルの証明になる
資格は「私は医療事務の基本を理解しています」という客観的な証明。面接官に「この人なら教育コストが少なく済みそう」と思ってもらえる安心材料になります。
3. 資格手当で収入アップ
医療機関によっては、資格保有者に月々の資格手当(3,000円〜10,000円程度)を支給するところもあります。長期的に見れば大きな収入差になります。
4. 実務にスムーズに入れる
資格取得の勉強を通じて、保険制度やレセプト作成の基礎を学んでおくことで、入職後の実務への適応がスピーディーになります。先輩から指導を受ける際も理解が早く、即戦力として活躍できます。
5. 自信を持って仕事に臨める
専門知識を体系的に学んだという経験は、大きな自信につながります。患者さんからの質問にも落ち着いて対応でき、職場での信頼も得やすくなります。
未経験から医療事務を目指すなら、資格取得を検討するのが賢明な選択と言えるでしょう。
主要な医療事務資格を徹底比較!難易度・費用・特徴まとめ
医療事務の民間資格は30種類以上存在しますが、ここでは認知度が高く、就職に有利な代表的な5つの資格をご紹介します。
主要資格の比較表
資格名 | 主催団体 | 難易度 | 合格率 | 受験費用(税込) | 試験頻度 |
---|---|---|---|---|---|
診療報酬請求事務能力認定試験 | 日本医療保険事務協会 | ★★★(難関) | 約30〜40% | 9,000円 | 年2回(7月・12月) |
医療事務技能審査試験<br>(メディカルクラーク®) | 日本医療教育財団 | ★★☆(普通) | 約60〜70% | 7,700円 | 毎月実施 |
医療事務管理士®技能認定試験 | 技能認定振興協会(JSMA) | ★★☆(普通) | 約50% | 7,700円 | 毎月実施(在宅受験可) |
医療事務認定実務者®試験 | 全国医療福祉教育協会 | ★☆☆(易しい) | 約60〜80% | 5,000円 | 毎月実施(在宅受験可) |
医科医療事務検定試験 | 日本医療事務協会 | ★☆☆(易しい) | 約80〜90% | 6,600円 | 毎月実施 |
各資格の詳細解説
1. 診療報酬請求事務能力認定試験
医療事務資格の最高峰と言われる資格です。
特徴
- 厚生労働省が認可した公益財団法人が実施する唯一の全国統一試験
- 医療機関からの評価・信頼度が最も高い
- 合格すれば就職・転職で大きなアドバンテージになる
- 診療報酬改定にも対応した最新の知識が問われる
試験内容
- 学科試験:医療保険制度、診療報酬制度の基礎知識(マークシート方式)
- 実技試験:実際のカルテからレセプトを作成する実践的な問題
こんな人におすすめ
- 医療事務として本格的にキャリアを積みたい方
- より高い給与や待遇を目指したい方
- すでに医療事務の実務経験がある方のスキルアップに
公式サイト:公益財団法人 日本医療保険事務協会
2. 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
全国的に知名度が高く、歴史ある資格です。
特徴
- 1974年から実施されている伝統ある資格試験
- 全国の医療機関で広く認知されている
- 実務に直結するスキルを証明できる
- 合格率が比較的高く、初心者でも目指しやすい
試験内容
- 学科試験:医療事務の基礎知識、患者接遇、関連法規
- 実技試験:受付業務、診療報酬請求業務(外来・入院)
こんな人におすすめ
- 初めて医療事務の資格に挑戦する方
- 着実に資格を取得したい未経験者
- 全国どこでも通用する資格が欲しい方
公式サイト:一般財団法人 日本医療教育財団
3. 医療事務管理士®技能認定試験
バランスの取れた実践的な資格です。
特徴
- 医療保険制度とレセプト作成の両面をバランスよく学べる
- 在宅受験が可能で、自宅で落ち着いて受験できる
- 毎月試験が実施され、受験機会が多い
- 実務で役立つ実践的な内容
試験内容
- 学科試験:法規、医学一般、保険請求事務の知識
- 実技試験:診療報酬明細書の作成(外来・入院)
こんな人におすすめ
- 自分のペースで学習・受験したい方
- 試験会場に行くのが難しい方(小さなお子さんがいる方など)
- 実務に直結するスキルを身につけたい方
公式サイト:技能認定振興協会(JSMA)
4. 医療事務認定実務者®試験
初心者が最初に目指すのに最適な入門資格です。
特徴
- 医療事務の基本知識を問う試験で、比較的易しい
- 在宅受験可能で気軽にチャレンジできる
- 受験料が5,000円と最も安い
- 学習期間1〜2ヶ月程度で取得可能
こんな人におすすめ
- まず手軽に資格を取って自信をつけたい方
- 医療事務の学習を始めたばかりの初心者
- 費用を抑えて資格取得したい方
公式サイト:全国医療福祉教育協会
5. 医科医療事務検定試験
短期間で取得できる基礎的な資格です。
特徴
- 合格率が高く、学習負担が少ない
- 医療事務の基本的な知識を体系的に学べる
- 毎月試験があり、受験しやすい
こんな人におすすめ
- とにかく早く資格を取りたい方
- 医療事務の基礎から始めたい完全初心者
- 複数の資格取得を目指すファーストステップとして
公式サイト:日本医療事務協会
あなたに合った資格の選び方
【パターン1】とにかく有利な資格が欲しい!キャリアアップを目指す方 → 診療報酬請求事務能力認定試験
難易度は高いですが、その分医療機関からの評価も抜群。給与面でも優遇されやすく、長期的なキャリア形成に最適です。
【パターン2】まずは着実に資格を取りたい未経験者 → 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
合格率が高く、全国的な認知度もあるため、未経験からの第一歩として最もバランスが取れています。
【パターン3】自宅で学習・受験したい方(育児中・仕事との両立) → 医療事務管理士®技能認定試験
在宅受験が可能で、試験会場に行く手間がありません。小さなお子さんがいる方やフルタイムで働きながら目指す方に最適です。
【パターン4】まず手軽に始めてみたい初心者 → 医療事務認定実務者®試験
低コスト・短期間で取得でき、医療事務の世界に足を踏み入れる最初のステップとして理想的です。
【ステップアップ戦略】 まず取得しやすい資格で基礎を固め、実務経験を積みながら、診療報酬請求事務能力認定試験にステップアップするのも賢い選択です。
資格取得で広がる!医療事務の魅力とキャリアパス
医療事務のスキルは**「ポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)」**と呼ばれ、一度身につければ生涯にわたって活用できる専門性です。
医療事務の5つの魅力
1. 全国どこでも働ける
病院やクリニックは全国津々浦々に存在します。結婚や配偶者の転勤で引っ越しても、Uターン・Iターンしても、どこでも仕事が見つけやすいのは大きな安心材料です。
2. 雇用形態が選べる
- 正社員:安定収入とキャリアアップ
- パート・アルバイト:週2〜3日、短時間勤務など柔軟な働き方
- 派遣社員:高時給で様々な職場を経験
- 在宅勤務(レセプト専門):一部の業務は在宅で対応可能
ライフステージに合わせて働き方を選べるのは、特に女性にとって大きなメリットです。
3. 長く安定して続けられる
医療は景気に左右されにくい業界です。高齢化社会の日本では、今後ますます医療機関の需要が高まると予想されています。年齢を重ねても専門スキルを活かして働き続けられます。
4. ブランクがあっても復職しやすい
出産や育児、介護などでいったん仕事を離れても、資格と基礎知識があれば復職のハードルが低いのが特徴です。「また働きたい」と思ったときに、スムーズに職場復帰できる安心感があります。
5. 人の役に立つやりがい
患者さんの不安を和らげる笑顔の対応、正確なレセプト業務で医療機関の経営を支えるなど、「誰かの役に立っている」実感を日々得られる仕事です。
キャリアアップの道も広がる
医療事務としてスタートした後も、以下のようなキャリアパスが開けています。
- 主任・リーダー:医療事務スタッフのまとめ役
- 医事課長・事務長:医療機関の事務部門の責任者
- レセプトチェッカー:レセプト点検の専門家
- 医療事務講師:スクールや講座で後進を育成
- 医師事務作業補助者:医師の事務的業務をサポート
- 診療情報管理士:より専門性の高い医療情報管理の専門職へ
最初は受付やレセプト作成からスタートしても、経験と実績を積めば、責任あるポジションや専門性の高い職種へとステップアップできます。
おすすめの勉強方法を徹底比較!あなたに合った学習スタイルは?
資格取得のための勉強方法は、大きく分けて3つあります。それぞれのメリット・デメリット、向いている人を詳しく解説します。
1. 独学
費用:約5,000円〜15,000円(テキスト代のみ)
メリット
- 費用を最も安く抑えられる
- 自分のペースで学習できる
- 好きな教材を選べる
デメリット
- 自分で教材を選び、学習計画を立てる必要がある
- 疑問点を質問できる相手がいない
- モチベーション維持が難しい
- 最新の診療報酬改定情報を自分で追う必要がある
こんな人におすすめ
- とにかく費用を抑えたい方
- 自己管理能力があり、コツコツ勉強できる方
- 以前に医療機関で働いた経験がある方
おすすめテキスト
- 『医療事務 診療報酬 請求事務能力認定試験 完全攻略テキスト&問題集』(ナツメ社)
- 『医療事務[診療報酬請求事務]合格テキスト&問題集』(成美堂出版)
- 『メディカルクラーク®2級 医療事務技能審査試験問題&解説集』(日本医療教育財団)
学習期間の目安:3〜6ヶ月
2. 通信講座
費用:約30,000円〜60,000円
メリット
- 効率的に学べる体系的なカリキュラム
- 質問サポートや添削指導が受けられる
- 最新の診療報酬改定に対応した教材
- 就職サポートが付いている講座もある
- 自宅で自分のペースで学習できる
デメリット
- 独学よりは費用がかかる
- 通学と比べると直接質問できない(メールや郵送での対応)
こんな人におすすめ
- 効率的に確実に資格を取りたい方
- 自宅で学びたいけれど、独学は不安という方
- 仕事や家事・育児をしながら資格取得を目指す方
- サポート体制が整った環境で学びたい方
主要な通信講座
【ユーキャン 医療事務講座】
- 費用:49,000円(税込)
- 標準学習期間:4ヶ月
- 特徴:初心者向けのわかりやすい教材、充実した質問サポート
- 目指せる資格:医療事務認定実務者®
【ニチイ 医療事務講座】
- 費用:約90,000円(税込・通学コースあり)
- 標準学習期間:3ヶ月
- 特徴:医療・介護業界大手ニチイのノウハウ、就業サポートが充実
- 目指せる資格:メディカルクラーク®
【たのまな(ヒューマンアカデミー)医療事務講座】
- 費用:38,000円〜
- 特徴:複数の資格取得を目指せるコースあり、eラーニング対応
【資格の大原 医療事務講座】
- 費用:30,000円〜
- 特徴:資格学校大手の安心感、実践的なカリキュラム
学習期間の目安:3〜4ヶ月
3. 通学講座(スクール)
費用:約80,000円〜150,000円
メリット
- 直接講師に質問でき、疑問点をその場で解決
- 一緒に学ぶ仲間がいるため、モチベーションを維持しやすい
- 実習や模擬演習で実践的なスキルが身につく
- 短期集中で効率的に学べる
- 就職サポートが手厚い
デメリット
- 費用が最も高い
- 決まった時間に決まった場所へ通う必要がある
- 地方では通学できるスクールが限られる
こんな人におすすめ
- 短期間で集中して学びたい方
- 一人では勉強が続かない、仲間と一緒に学びたい方
- 講師に直接質問しながらしっかり理解したい方
- 通学できる範囲にスクールがある方
主要なスクール
- ニチイ学館(全国展開)
- ヒューマンアカデミー
- 資格の大原
- 日本医療事務協会
学習期間の目安:1〜3ヶ月(短期集中コースあり)
学習方法選びのフローチャート
Q1. 費用を最優先で抑えたい? → YES:独学がおすすめ
Q2. 自宅で学びたい? → YES:通信講座がおすすめ → NO:通学講座を検討
Q3. 一人で勉強を続ける自信がある? → YES:独学or通信講座 → NO:通学講座がおすすめ
Q4. できるだけ早く資格を取りたい? → YES:通学講座(短期集中コース) → NO:通信講座で自分のペースで
効率的な学習のポイント
どの勉強方法を選んでも、以下のポイントを押さえることで合格率が上がります。
- 毎日少しずつでも学習時間を確保する
- 1日30分〜1時間でも継続することが大切
- 診療報酬点数表に慣れる
- 最初は難しく感じますが、繰り返し見ることで自然に身につきます
- 過去問題・模擬試験を繰り返す
- 試験の出題傾向を把握し、時間配分の練習にもなります
- レセプト作成は実際に手を動かす
- 見ているだけでなく、自分で書いて覚えることが重要
- 最新の診療報酬改定情報をチェック
- 診療報酬は2年に1度改定されるため、最新情報を把握しましょう
医療事務のリアルな働き方と給与事情
勤務時間と働き方
【クリニック(診療所)の場合】
- 勤務時間:平日9:00〜18:00前後(診療時間に準ずる)
- 休日:日曜・祝日、木曜や土曜午後休診が多い
- 残業:比較的少なめ(月末月初のレセプト時期は多少増える)
- 特徴:アットホームな雰囲気、地域密着型
【総合病院・大学病院の場合】
- 勤務時間:シフト制(早番・遅番など)
- 休日:シフト制で平日休みの場合も
- 残業:部署により異なるが、クリニックより多めの傾向
- 特徴:多様な症例に触れられる、キャリアアップしやすい
給与相場
【正社員の場合】
- 初任給:月給18万円〜22万円
- 経験者:月給20万円〜28万円
- 年収:250万円〜350万円程度
- ※資格保有者や経験年数により昇給あり
【パート・アルバイトの場合】
- 時給:900円〜1,300円
- ※地域や医療機関の規模、資格の有無により異なる
【派遣社員の場合】
- 時給:1,200円〜1,600円
- ※比較的高時給で、経験を積みやすい
実際の声:医療事務として働く人たちの体験談
Aさん(30代女性・クリニック勤務) 「育児との両立を考えて医療事務資格を取得しました。パートで週4日、9時〜15時で働いています。子どもの学校行事にも参加しやすく、家庭と仕事のバランスが取れています」
Bさん(20代女性・総合病院勤務) 「未経験から正社員として採用されました。最初は覚えることが多くて大変でしたが、資格取得の勉強をしていたおかげで基本は理解できていたのでスムーズでした。今はレセプトチェックの仕事にやりがいを感じています」
Cさん(40代女性・派遣社員) 「10年のブランク後に医療事務として復帰しました。派遣で様々な医療機関を経験でき、スキルアップにつながっています。年齢に関係なく専門性を評価してもらえるのが嬉しいです」
医療事務に向いている人・求められるスキル
こんな人が医療事務に向いています
1. 細かい作業が得意な人
レセプト作成では、診療内容を正確に点数化し、ミスなく入力する正確性が求められます。コツコツと丁寧に作業できる方に適しています。
2. コミュニケーション能力がある人
患者さんとの接点が多く、不安を抱える方に寄り添った対応が必要です。笑顔で温かく接することができる方は患者さんから信頼されます。
3. 臨機応変に対応できる人
医療現場は予測できない状況が起こることも。複数の業務を同時にこなし、優先順位をつけて対応できる柔軟性が大切です。
4. 学び続ける姿勢がある人
診療報酬は2年に1度改定され、医療制度も変化します。常に新しい知識を学び、アップデートしていく意欲が必要です。
5. チームワークを大切にできる人
医師、看護師、薬剤師など多職種と連携して働きます。周囲と協力し、円滑にコミュニケーションを取れることが重要です。
求められる基本スキル
- パソコンスキル:Word、Excelの基本操作、タイピング
- 接遇・マナー:電話対応、言葉遣い、身だしなみ
- 事務処理能力:書類作成、ファイリング、スケジュール管理
- 専門知識:医療保険制度、診療報酬、医学用語の基礎
特別な専門知識がなくても、これらは学習や経験を通じて身につけられるものばかりです。
よくある質問(Q&A)
Q1. 医療事務に年齢制限はありますか?
A. 年齢制限は基本的にありません。20代から50代、60代まで幅広い年齢層の方が活躍しています。むしろ、人生経験豊富な方の方が患者さんへの対応力が高く評価されることもあります。
Q2. 数学が苦手でも大丈夫ですか?
A. 基本的な四則演算ができれば問題ありません。レセプト計算も専用ソフトが自動計算してくれることが多く、複雑な数学の知識は不要です。
Q3. 資格取得にどれくらいの期間がかかりますか?
A. 目指す資格や学習方法によりますが、一般的に3〜6ヶ月程度です。短期集中なら1〜2ヶ月で取得できる資格もあります。
Q4. 資格は複数取った方がいいですか?
A. まずは1つの資格を確実に取得することをおすすめします。その後、キャリアアップのために診療報酬請求事務能力認定試験などにチャレンジするのが効率的です。
Q5. 男性でも医療事務になれますか?
A. もちろんです。近年は男性の医療事務職も増えています。特に大規模病院や事務長職などでは男性も多く活躍しています。
Q6. ブランクがあっても復職できますか?
A. 医療事務は復職しやすい職種です。資格を持っていれば、ブランクがあっても基礎知識の証明になります。パートから始めて徐々に感覚を取り戻す方も多いです。
Q7. 未経験でも正社員になれますか?
A. 資格があれば未経験でも正社員採用のチャンスは十分あります。ただし、最初はパートや派遣で経験を積んでから正社員を目指す方法もあります。
Q8. レセプト業務は本当に難しいですか?
A. 最初は診療報酬点数表の膨大さに圧倒されるかもしれませんが、実務でよく使う項目は限られています。経験を積めば自然に身につきますので、過度に心配する必要はありません。
医療事務の資格取得から就職までのロードマップ
ステップ1:情報収集・目標設定(1週間〜2週間)
- 医療事務の仕事内容を理解する
- 自分に合った資格を選ぶ
- 学習方法を決定する(独学・通信・通学)
- 学習スケジュールを立てる
ステップ2:学習開始(3〜6ヶ月)
- テキストや講座で基礎知識を習得
- 診療報酬点数表に慣れる
- レセプト作成の練習を繰り返す
- 過去問題・模擬試験で実力チェック
ステップ3:資格試験受験
- 試験日の1ヶ月前から集中的に復習
- 時間を計って模擬試験を解く
- 苦手分野を重点的に克服
- 当日は落ち着いて実力を発揮
ステップ4:就職活動開始
- 求人サイトやハローワークで情報収集
- 希望する勤務形態・勤務地・職場規模を明確に
- 履歴書・職務経歴書を作成(資格欄に取得資格を記載)
- 面接対策(志望動機、自己PRの準備)
ステップ5:面接・内定
- 笑顔とハキハキした受け答えを心がける
- 医療事務を選んだ理由、学んだことを具体的に説明
- 学び続ける意欲をアピール
- 質問があれば遠慮せず確認する
ステップ6:入職・実務スタート
- 最初の1〜3ヶ月は研修期間
- 先輩からの指導を素直に受け入れる
- 分からないことは積極的に質問
- 少しずつ業務の幅を広げていく
ポイント:焦らず、一歩ずつ確実に進むことが大切です。
医療事務資格取得を成功させる5つの秘訣
1. 明確な目標とモチベーションを持つ
「なぜ医療事務になりたいのか」「資格を取ってどうなりたいのか」を明確にしましょう。目標が明確だと、勉強のモチベーションが続きます。
2. 学習スケジュールを立てて習慣化する
「毎日○時から○時は勉強時間」と決めて習慣化することが継続の秘訣。少しの時間でも毎日コツコツ続けることが大切です。
3. 分からないことは放置しない
疑問点はその都度解決しましょう。通信講座や通学なら講師に質問、独学なら参考書を複数用意したりネットで調べたりして理解を深めます。
4. アウトプットを重視する
テキストを読むだけでなく、実際にレセプトを作成してみる、問題を解く、人に説明するなど、アウトプットすることで知識が定着します。
5. 自分を追い込みすぎない
完璧を目指しすぎて挫折するより、7〜8割の理解で進み、繰り返し学習する方が効果的です。適度に休息を取りながら、無理なく続けましょう。
まとめ:医療事務は未来への確かな一歩
医療事務は、安定性、将来性、働きやすさを兼ね備えた、とても魅力的なお仕事です。
- 未経験からでも挑戦できる門戸の広さ
- 全国どこでも働ける汎用性の高さ
- ライフステージに合わせて働き方を選べる柔軟性
- 年齢を重ねても活躍できる長期的なキャリア展望
- 人の役に立てる社会的意義
必須資格がないからこそ、資格を持っていることがあなたの意欲とスキルの証明になります。
「ちょっと興味が湧いたかも」「やってみたいな」と思ったなら、それが新しいキャリアへの第一歩です。
まずは気軽に、医療事務の資格について調べてみる、通信講座の資料請求をしてみる、ハローワークの職業訓練を調べてみる…どんな小さな一歩でも構いません。
あなたの「やってみたい」という気持ちを、ぜひ行動に変えてみてください。
医療現場で「ありがとう」と言われるやりがいのある毎日、安定した収入、家庭と両立できる働き方、そして何より「自分の力で生きていける」という自信。
医療事務の世界は、それらすべてを手に入れるチャンスを、あなたに差し出しています。
新しいキャリアへの第一歩を、心から応援しています!
【参考リンク集】
各資格の公式サイト
- 診療報酬請求事務能力認定試験 – 日本医療保険事務協会
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)- 日本医療教育財団
- 医療事務管理士®技能認定試験 – JSMA
- 医療事務認定実務者®試験 – 全国医療福祉教育協会
- 医科医療事務検定試験 – 日本医療事務協会
主要な通信講座
求人情報
- ハローワークインターネットサービス
- Indeed、求人ボックスなどの求人検索サイト
医療保険制度について
この記事が、あなたの新しいキャリアの第一歩になることを願っています。頑張ってください!