
「資格を取っても、すぐに転職できるわけじゃないし…」
「資格があっても、実務経験がなければ意味ないよ」



そんな言葉を耳にして、「やっぱり資格の勉強なんて、時間の無駄なのかな…」と、一歩を踏み出すのをためらっていませんか?
こんにちは!資格好き主婦「資格×女性のキャリア」のさわだまい(@maisawaco)。
確かに、資格は取っただけで人生がバラ色になる「魔法の杖」ではありません。しかし、「資格は意味ない」と切り捨ててしまうのは、あまりにもったいない。
なぜなら、多くの人が語る「転職に有利」「給料が上がる」といった『外的なメリット』以上に、あなたの人生を土台から支えてくれる、もっと深くて大切な『内的なメリット』があるからです。
実は、資格の勉強をやり遂げた多くの人が、この内的なメリットの価値に気づいています。「うまく言葉にはできないけど、あの経験が自分を確かに変えてくれた」と感じているのです。
今日は、そのうまく言葉にできない「本当の価値」を、キャリア理論という視点を使いながら丁寧にお伝えしたいと思います。
まず知っておきたい、資格がもたらす2つのメリット


資格取得で得られるものには、大きく分けて2つの種類があります。
1. 外的なメリット(目に見える価値)
外的なメリットは、目に見えやすい価値。多くの人がイメージするメリットです。
- 転職や就職が有利になる
- 昇進や昇給のきっかけになる
- 資格手当がもらえる
- 専門家として他者から認められる



これらは客観的に分かりやすく、キャリアアップの直接的な武器になるものです。もちろん、これも非常に重要です。
2. 内的なメリット(目に見えない、あなたの中の価値)
そして、内的なメリット。こちらが今回一番お伝えしたい、軽視されがちな本当の宝物です。
- 「自分もやればできる!」という揺るぎない自信がつく
- 目標達成までのプロセスを乗り越えた達成感と自己効力感が手に入る
- 「今の会社がもしもの時も、この知識があれば何とかなるかも」という心の安定(セーフティネット)が得られる
- 学んだ知識によって、これまでとは違う視点で世界が見えるようになり、知的好奇心が刺激される
- 同じ目標を持つ仲間や、その道の先輩との繋がりが生まれる



いかがでしょうか。これらは、あなたの内面で起こる、静かで、しかしとても力強い変化です。
「内的なメリット」が、あなたのキャリアを根本から変える理由


「でも、自信がついたところで、それが仕事にどう繋がるの?」
と思われるかもしれません。
実は、この内的な変化こそが、あなたのキャリアを長期的に、そして主体的に動かしていく原動力になるのです。
ここでは、少しだけ専門的なキャリア理論を交えて、その理由を解き明かしていきますね。
1. 「やればできる!」自信が、未来の挑戦への扉を開く(自己効力感)
心理学者のバンデューラは、人が行動を起こすには「自分はこれをうまくやれるはずだ」という感覚(自己効力感)が非常に重要だと提唱しました。
資格の勉強は、まさにこの自己効力感を育む最高のトレーニング。
計画を立て、地道な努力を続け、「合格」という明確な成功体験を得る。この一連の経験は、「困難なことでも、自分はやり遂げることができる」という、何にも代えがたい自信をあなたに与えてくれます。
この自信は、職場で「この新しいプロジェクト、私がやってみます!」と手を挙げさせたり、未経験の分野への挑戦を後押ししてくれたりする、あなたのキャリアのエンジンになるのです。
2. 新しい出会いとチャンスを「偶然」引き寄せる(計画された偶発性理論)


キャリアコンサルタントのクランボルツは、「個人のキャリアは、偶然の出来事によって大きく左右される」と言いました。そして、その「良い偶然」は、自らの行動によって引き寄せることができる、ということです。
資格の勉強を始めると、自然と行動が変わります。
SNSで仲間を探したり、勉強会に参加したり…。これらの行動一つひとつが、新しい人との出会いを生み、予期せぬ情報やチャンスを運んできてくれます
。「人間関係が広がる」というのは、まさにキャリアにおける「良い偶然」を引き寄せるための種まきなのです。
3. あなただけの「キャリアの物語」を紡ぎ始める(キャリア構築理論)
サビカスという研究者は、「キャリアとは、自分自身の物語を能動的に作っていくプロセスだ」と考えました。
資格取得は、あなたのキャリアの物語における、感動的なターニングポイントになり得ます。「以前は自信が持てなかった私が、努力して合格した」という経験は、あなた自身の物語をより力強く、ポジティブなものに書き換えていくのです。
理論だけじゃない。資格が私のキャリアを変えた「実体験」





ここまで理論的な話をしてきましたが、実はこれらはすべて、私自身のキャリアを振り返った時の実感でもあります。
以前、私が勤めていた事務職は、給与は良かったものの、社内システムを使う業務が多く、他社では通用しないスキルばかり。産休も取りづらい雰囲気で、「いつかは辞めなければならないのに、この会社でしか働けない自分」に、漠然とした強い不安を感じていました。
かといって、すぐに転職に踏み切る勇気もない。そんな中で私にできた最初の一歩が、会社で推奨されていた資格の取得でした。
その資格がきっかけで報奨金をもらい、会社からも評価されたことで、私は「宅建」の勉強を始めました。無事に合格して自信がついた私は、社労士事務所の補助者として新しい一歩を踏み出します。


結局、社労士の道は諦めてしまいましたが、この経験は決して無駄にはなりませんでした。資格の知識を活かしてライターとして在宅で働く道が開けたのです。これは、子どもの保育園のために働く必要があった私にとって、本当に大きな救いでした。
「資格×ライター」という自分の武器ができたことで、資格関係で著名な先生の本のお手伝いをさせていただくという、以前なら考えられなかったチャンスも舞い込んできました。「資格×キャリア」というテーマで、人々を支えるサービスを作りたいという新しい目標も見つかりました。
お手伝いさせていただいた『資格のかけ算大全』
ライターの仕事があったおかげで、企業への就職活動も「絶対に決めないと」という焦りがなく、心に余裕をもって臨め、結果的にとても良いご縁に恵まれました。
そして今、その会社で新しく始まった福祉事業のお手伝いをしていますが、未経験の分野でも「ちゃんと勉強して経験を積めば、もっと良いスタッフになれるはず」という希望を持って仕事ができています。
この内面的な自信や「やればできる」という感覚は、最初の会社で不安を抱えていた頃の私にはなかったもの。



資格取得という小さな一歩が、私のキャリアの物語を、確実に変えてくれました。
大切なこと。内なる変化を「外の成果」に繋げよう
私の体験談からも分かるように、内的なメリットはそれだけでも素晴らしいものです。 しかし、やはり「外的なメリット」も感じられると、さらに良い循環が生まれます。
なぜなら、転職が成功したり、周りから「すごいね!」と認められたりすることで、あなたの自信はさらに確かなものになるからです。
では、どうすれば内的な変化を外的なメリットに繋げられるのか。 答えはシンプルです。「とにかく動いてみること」。
資格は、あなたという素晴らしい可能性を秘めた扉をける「鍵」です。でも、鍵を手に入れただけでは扉は開きません。鍵穴に差し込み、回すという「行動」が必要です。
- まずは周りに知ってもらう
職場の同僚や上司に話してみる。SNSのプロフィールに書いてみる。名刺に記載する。 - 学んだ知識を活かして行動する
小さなことでも構いません。社内で知識を共有する勉強会を開く、学んだことをブログに書いてみる、副業サイトで関連する仕事を探してみる。 - コミュニティに参加する
資格取得者の集まりに参加し、先輩たちがどうやって資格を活かしているのか情報交換する。
ほんの少し勇気を出して行動するだけで、あなたの中に生まれた変化が、周りの世界にも良い影響を与え始めます。
最後に
「資格なんて意味ない」という言葉は、資格の持つ一面しか見ていない、とてももったいない言葉です。
資格取得の本当の価値は、あなたの内側に起こる静かで力強い変革にあります。それは、他人に与えられるものではなく、あなた自身が努力で勝ち取った、誰にも奪うことのできない財産です。
もし今、あなたが何かの勉強を始めようか迷っているなら、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
資格を取れば、あなたが変わり、人生は変わります。



あなたの挑戦を、心から応援しています。