「社労士受験生で社労士事務所に転職するのはアリ?」
「勉強時間は確保できる?合格に有利になる?」
「今会社員だけど、待遇はかわる?」
そんな疑問にお答えします。
こんにちは!まいです
私は社労士試験受験生として2年間社労士法人で働いていた経験があります。
今回はそんな私が
「社労士試験受験生として社労士事務所に転職」という選択はアリなのかナシなのか、
ということをまとめていきたいと思います。
・社労士受験生で将来的に社労士事務所で働きたい
・働きながら受験生大変…いっそのこと先に転職しようかな
など考えている方はぜひチェックしてみてくださいね。
ちなみに、結論は「アリ!でも事務所選びとお給料には気をつけてね」です。
社労士受験生が社労士事務所に転職→求人はあるの?
まず、そもそも社労士受験生で社労士事務所に勤めることは可能なのかのお話をします。
地方は求人が少ない 都市部は通年求人がある場合も多い
社労士補助者の求人はありますが、住んでいる地域によって求人量がかわってきます。
求人情報を見ると
個人の社労士事務所しかない地域→求人は少ない
大規模〜中規模の社労士法人、社労士事務所がある地域→求人は多い
傾向にあります。
また企業が多い→社労士事務所も多いので、他の職種と同じように都市部の方が社労士補助者の求人は多いです。
私は都市部ではなく、地方で県内で2番目に人口の多い地域に住んでいますが、社労士法人が複数ある地域のため、1年中常に求人は出ていました。
個人事務所は入れ替わりが少なく、規模が大きいと毎年募集している場合も
内容としては、個人の社労士事務所は、社労士先生一人、補助者(奥さんだったりもします)2〜3名で運営されている場合も多く、なかなか入れかわり、または増員という機会がないようです。
一方社労士法人の場合は、規模によりけりですが、補助者も3、4名から10名以上の場合も。私の勤めていた事務所も少ない時には6名〜今は10名ほどいるそうです。
補助者はパートの方や正社員でも主婦の方も多いため、家庭の事情等で入れ替わりもありますし、事業拡大もあるので求人は出やすい傾向にあります。
社労士補助者の求人内容は?
社労士補助者は、
・主婦のパート
・もしくは、将来社労士になりたい受験生
を想定している場合が多いように感じます(実際に私の勤めた社労士法人はそうでした)
社労士補助者の求人てこんな感じ
よく見かける社労士法人の求人票からみてみましょう。
事業所名 社会保険労務士法人 まいろぐパートナーズ
職種 社会保険労務士事務補助
仕事内容
・社会保険、労働保険手続き業務
・給与計算業務
・データ入力
・電話、来客応対等
雇用形態
パート
正社員登用の有無
有
必要な経験等
ワード、エクセル
給与計算業務経験あれば尚可
必要な資格等
普通運転免許
社会保険労務士あれば尚可、勉強中の方も歓迎します
ここにあるように、パートでの採用が多く、いきなり正社員という求人は少ない印象があります。
私は2年間くらい社会保険労務士の求人を見ていた時があるのですが、社会保険労務士の求人ではなく、無資格者、事務補助者となるとパートの求人が多かったです。
給与計算や電話対応など、事務系の仕事がメインになるため、女性、特に主婦のパートなどをイメージして求人を出している場合が多いように感じました。
社労士受験生を想定しての募集もある
ただ、「勉強中の方も歓迎」「社労士試験の勉強中の方尚可」という求人も沢山あります。
多くは資格取得後、勤務社労士として正社員となり、引き続き事務所で働くことを想定しています。
実際に私の勤めていた社労士法人でも、資格を取得してから就職してくる人もいれば、受験生としてパートで入社し、見事合格し現在は社労士として勤めている人もいます。
ただ、これが出来るのはある程度人数のいる社労士法人だからで、小規模の事務所では専任の補助者(事務員)として長く働いてくれる、例えばパート主婦のような人を希望している場合もあります。
小規模の事務所でも事業拡大を考えている場合では、即戦力となり、将来的に事務所を運営していくパートナーとしての社労士となる人材を求めている場合もあるので、事務所によりけり。
一概には言えませんが、そういった勢いのある事務所はなかなか少ないように感じます。
ただ、いずれにしても欲しい人材は「即戦力」です。
社労士事務所は小規模な場合は一人一人が仕事をこなしてくれることを求められます。私の勤めていた中規模〜大規模の社労士事務所の場合も、顧問契約している企業の数や規模がそれだけ大きいので、かなり忙しい場合が多いです。
未経験だとしても、関連する資格を持っていたり、社労士の勉強中というある程度知識を持っている方が欲しがられます。
社労士の勉強をしているということは、どのような事務所にとっても採用を考える上でプラスになると思います。
社労士補助者はどんな仕事をするの?
社労士補助者のメインの仕事は手続き関係
社労士補助者は、
・社会保険、労働保険関係の手続き書類の作成
・帳簿関係の作成
・給与計算
・電話応対
などを担当する場合が多いです。
社労士の業務でいうと、1号業務を担当。プラス給与計算、それと一般的な事務仕事、という感じです。
私は受験生として入社したので、上記に加え顧客に労働保険の説明や、コンサルティングに同行させていただくなど、いろいろと実務の勉強になる経験をさせてもらいました。
仕事内容についてはこちらの記事も
実務経験は受験勉強に大いに役立つ
社会保険、労働保険の手続き等も、試験勉強にかなり関わる部分なので、実務を経験していることで試験のプラスになる面は大きくあると思います。
雇用保険や社会保険の加入喪失など、通常の手続きはもちろん、補助業務に携わっていると、労災や休業、年金との兼ね合いなどさまざまなケースが出てくるので、幅広い知識が必要になります。
業務で必要なものは嫌でも勉強しなければならないので、やる気も違いますし、実践を伴っているので記憶にも残りやすいです。
実務経験のある範囲の勉強はかなりやりやすくなります
社労士受験生が補助者として働いて受験勉強の時間はある?
実務経験が受験勉強に役立つとはいえ、社労士試験の出題範囲は広い…受験勉強は必須です。そして受験勉強の時間が確保できるかどうかは、事務所の理解によります。
補助者から合格した人もいる
補助者から合格した人ももちろんいるので、時間は確保できます。
私は業務で疲れてやる気が出なくなってしまったタイプですが、やる気があれば業務後に時間はとれました(やる気がほんとになかった…)
その証拠に、私と同期入社の方は合格して今では社労士先生です…。ちなみに彼女も未経験者で入社しました。
中学生と高校生のママで帰宅後も家事等ありますが、早朝や休みの日を利用して勉強していたそうです。
勉強時間がとれるかどうかは事務所によるところが大きい
何度も言ってしまいますが、事務所選びがカギですね。
私は繁忙期になぜか率先して残業ばかりしてしまいましたが、「勉強時間もとらないと」と理解がある事務所や、もともとそんなに残業にならない事務所も多くあると思います。
私の勤めていた会社も基本的には残業禁止で、勉強を進めてくれていました。
試験勉強に理解のある事務所に入ることができれば、合格はぐっと近づきます!
社労士受験生の社労士補助者お給料はどう?
先に述べたように、パート求人が多いので、現在正社員で働いていて、給与の面で大きな不満がないのであれば、私は社労士資格を取得してからの転職をお勧めします。
社労士として転職した方が正社員として勤めることができます。
またそもそも社労士として駆け出しの頃はお給料が少なく、前職からかなり年収が下がることも多いです。(私の職場の新人社労士の方もそうでした)
<参考>
月給195,000円〜
賞与2.5ヶ月
なので、受験生時代はそのままお仕事を続け、社労士資格を取得してから社労士にフルコミットする方がお給料の面で効率的だと思います。
ちなみに、パート採用の私の時給は1,100円でした。地域的には高い水準です。
なので、現在パート、アルバイトで勤めている方や、仕事に大きな不満がある方、または実務者講習を受けずに実務経験2年ですぐに社労士登録をしたいなど、明確なビジョンがある方にはおすすめできます。
社労士受験生の社労士補助者の一日
ではここで、入社一年目当時の私の一日の様子をご紹介したいと思います。
私は一応社労士試験の受験生(→落ちました)だったので、特に受験生で補助者を希望しているという方はイメージがしやすいと思います。
7:30 家を出る
電車通勤でした。職場まではドアtoドアで40分ほどとまあまあ普通?の通勤時間です。
しかし電車の本数が少なめだったので、早めに着くかギリギリに到着するかの選択…。
8:00 ファストフード店などで勉強する日も
早めに着く電車に乗って、職場近くのファーストフード店やコンビニのイートインで試験勉強をする日もありました。
コーヒーなどを飲みながら優雅な朝活です。
9:00 出社
出社後、デスクについてすぐすることはその日の予定を作成することです。
手続書類等の締め切りから逆算した月間の予定→週間の予定→そこからその日の予定を確認します。
だいたい前日に作成してあるので確認、微調整。
社内ではサイボウズを使用していたので、サイボウズのチェック。ミスやクレーム、ヒヤリハットも共有されるのでよく読んで同じ間違いをしないように…
9:20 メールチェック、顧問先と連絡
顧問先から来ているメールをチェックします。
やりとりは電話か対面、メールまたはチャットツールで、顧問先の意向によって使い分けていました。(こちら側からしたら統一したいのですが、顧問先の規模もさまざまなので難しかったです)
時には変わった経営者の方もいて延々とメールのやり取りが続く場合も。そんな時は先生に相談。
9:30 チームミーティング
チームミーティングで進捗を確認します。補助者のチームは8人、社労士先生はこの時はおらず、内部の進捗やミスをしないための情報共有。法律の変更の確認などを行います。
10:00 手続き書類作成
メインの書類作成業務。例えば入退者時の雇用保険関係、社会保険関係の手続き、傷病手当金や出産手当金などの手続き、事業を始めた時の各種保険の設置の手続きなどなどなど…さまざまな書類を扱います。
時にはハローワークや年金事務所、銀行などへ出向くこともあります。
労働保険の年度更新や社会保険の算定基礎届の作成などの時期は、その作業が以上の業務に加わり、とにかくこなしていく日々が続きます…
12:00 昼休憩
お昼はお弁当でした。昼休憩に勉強するという雰囲気の職場ではなかったので、仲間とお話をしたりしたあとは、早めに仕事に戻っていました(本当は1時間まるまる休みたかった…トホ)
13:00 社労士に同行して顧問先へ
毎日ではないですが、社労士の先生に同行して顧問先の担当者(社長さんや事務長、総務課の女性など)のもとへ。
社労士が助成金などの説明やコンサルタント業務を行い、補助者は自分の行っている業務である手続き書類について説明、出来てきた書類を返却などを行います。(訪問しない顧客は郵送します)
15:00 書類の作成
帰社後はまた書類の作成など。時々電話で顧問先からの問い合わせが来るので、わかることならば回答します。社労士の先生は外に出ている時間も長いし、社内にいてもかなり忙しいので、可能なことであれば対応するようにします。(先生が外出中でわからないことがあれば、年金事務所やハローワークなど該当の機関に問い合わせて回答します)
17:30 当日の進捗の振り返り 翌日の予定の調整
当日の仕事は業務終了時間の30分前には終わらせるようにして、業務の振り返り、内容の確認などを行います。
間違っても手続き書類の期限になってしまわないように、優先順位を間違えないようにします。
社労士の先生はまだ帰ってこない場合も多いです。顧問先の社長の業務終了後や顧問先が病院だったら診察後に面談する場合も。
早い時はまったりされている時も時々あります。
18:00 終業
定時に帰宅できる日もあれば、年間で半分くらいそうはいかないことも…。
ちなみに9:00〜15:00のパートの方もいます。
18:40 帰宅
定時の時はこのくらいに帰宅。残業の日は20時や21時。遅くて22時くらいでした。
帰宅後はすぐに夕食づくり。だいたい週末作り置きです(時間はあるんですが疲れていて…)
19:20 夕食
夫と夕食を食べます。
20:30 入浴
テレビっ子でもっと遅くなってしまうことも…
21:30 勉強(気が向けば…)
私は転職後恐ろしく勉強ができなくなってしまいました…やる気の問題です…。
だいたいいつも「帰宅後はもう仕事のことは忘れさせて!」と現実逃避をしていました…。なんのために転職したんだか!
23:00 就寝
勉強してもしなくても、睡眠は大事…。
以上です。
勉強量が足りなかったね
2年間で600時間くらいしか勉強してなかった…お恥ずかしい…
将来社労士になる気持ちがあったら応募してみるのも手
将来的に社労士として働いていきたいと思う人は、良い求人を見つけたら手あたり次第応募してみるのも手だと思います。
本人の望む働き方にもよりますが、正社員で受験生歓迎、その他の条件も良かったらチャレンジしてみてもいいのではないかと。
社労士補助者は実務の勉強になりますし、晴れて社労士資格に合格した場合に登録に必要な実務経験にも加算されます。
事務所次第で勉強時間を確保してもらえたり、将来そのまま勤務社労士として勤められるというスムーズなコースを辿れる可能性があります。
事務所次第な面が大きいですが、良い事務所に巡り会えたらメリットは大きいと思いまよ。
ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。