資格は、わたしを思い出すためにある。

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「資格なんて、取っても意味あるのかな……」

これから勉強を始めようか迷っているときも、取った資格をうまく活かせていないと感じるときも、そんなことを考えるかもしれません。

わたしも、いろいろな資格を取ってきましたが、そのすべてが仕事に直結したわけではありません。学んでみて、思っていたものとは違ったと気づいたこともあります。

それでも振り返ると、資格の勉強を通して、自分の経験を捉え直せたり、好きなことに気づけたり、苦手だったことに少し近づけたりしたんですよね。

わたしにとって資格は、「わたしってこういう人だ」という、自分の輪郭をはっきりさせてくれるものでもありました。

就職や転職に役立つかどうかは、もちろん大切です。でも、それだけでは測れない意味もあると思っています。

ブログ案内犬しろちゃん

仕事に使っていない資格にも、意味があるってこと?

まい

うん。すぐに仕事にならなくても、考え方が変わったり、自分の経験に気づくきっかけになったりすることはあるんだよね。

これから資格を取ろうか迷っている方にも、取ったままになっている資格がある方にも。

この記事では、わたし自身の経験をもとに、資格や学びが持つ4つの役割をお話しします。新しく何かを始めるかどうかを決める前に、自分の中にあるものを振り返るきっかけになればうれしいです。

この記事でわかること

資格は、あなたのキャリアの「輪郭」を描いてくれる

資格のイベントや面談で、お仕事の経験について伺うと、こんな言葉を聞くことがあります。

「事務と言っても、社内システムでやっていただけなので……」

「うちの会社独自のルールだったから、経理といっても大したことはしていなくて……」

「社外で通用する知識があるかと言われると、自信がないんです」

……わかります。

わたし自身も事務職として働いていたころ、自分が身につけたものは、その会社の中でしか通用しないと思っていました。

「これは社内だけのやり方だし」
「ちゃんとした知識があるわけじゃないし」

毎日やっていることほど、自分にとっては当たり前になっていて、わざわざ人に伝えるほどの経験だとは思えなかったんですよね。

そんなとき、資格の勉強が、自分の経験を捉え直すきっかけになることがあります。

たとえば、経理の仕事をしてきた人が簿記を学び始めたとします。

最初は「うちの会社のやり方しか知らない」と思っていても、学んでいくうちに、「いつも処理していたのは、こういう意味だったんだ」と、実務と知識がつながることがある。

会社ごとの手順と、ほかの職場にも共通する考え方を分けて理解できるようになると、自分が知っていることも、これから学ぶ必要があることも見えやすくなります。

わたしが「キャリアの輪郭がはっきりする」と感じるのは、こういうことです。

資格の勉強によって、それまで何もなかったところに価値が生まれる、というだけではありません。

すでに自分の中にあった経験に、名前や意味がついていく。そんな学び方もあるのだと思います。

そして、その輪郭を見つける方法は、資格だけではありません。

これまで担当した仕事を書き出してみる。人から頼まれたことや、自分なりに工夫したことを振り返ってみる。誰かと話しながら整理してみる。

「わたしには語れる経験なんてない」と感じているなら、新しい資格を探す前に、今ある経験を見直してみてもいいのだと思います。

思っていたより、すでに持っているものがあるかもしれません。

自分の経験を、人に伝える手がかりになる

自分なりに一生懸命やってきたことでも、人に説明しようとすると、意外と難しいものです。

「どんなことができますか」と聞かれても、「こういう仕事もしていて、ああいうことも頼まれていて……」と、うまくまとまらない。

資格は、そんなときに、自分が学んだ分野を伝える手がかりになります。

「FPの資格を持っています」
「簿記2級を取りました」

こう伝えることで、相手が知識の分野や学習の背景をイメージしやすくなることはあります。

ただ、資格名だけで、できる仕事や人柄まで伝わるわけではありません。相手がその資格をよく知らない場合もありますし、知識があることと、実務で対応できることは別でもあります。

だからこそ、資格に自分の経験を添えることが大切なのだと思います。

たとえば、資格名に加えて、「日々の仕事では、こういう業務を担当していました」「その中で、こういう工夫をしていました」と伝えてみる。

勉強した内容と実際に経験したことがつながると、その人がどのように働いてきたのかが、少し具体的に見えてきます。

わたし自身、資格の知識を記事の執筆に活かしたり、ITの学びをWeb制作に関わる仕事につなげたりしてきました。

資格が単独で仕事を連れてきてくれるというより、これまでの経験と組み合わせることで、自分のできることを説明しやすくなったと感じています。

履歴書の資格欄に何を書くかだけでなく、その資格と、自分のどんな経験を結びつけられるか。

取ったままになっている資格があるなら、そんな視点で振り返ってみるのも一つの方法です。

「なんとなく好き」の中身が、少し分かるようになる

ここまでは仕事や経験の話をしてきましたが、資格の勉強は、仕事と直接関係のないところでも楽しいものです。

前から気になっていたことや、なんとなく好きだったことを学んでみると、「わたしは、こういうところが好きだったんだ」と気づくことがあります。

たとえば、色が好きな人が、配色について学んでみる。

それまで「この色の組み合わせ、なんかいいな」と感じていたものを、色相や明度、彩度といった言葉で考えられるようになると、自分がどんな配色にひかれるのかも見えやすくなります。

好きなものを、もう少し細かく見られるようになる感じです。

「色が好き」とひと言で言っても、服を組み合わせることが好きなのか、インテリアを考えることが好きなのか、Webサイトの雰囲気をつくることに興味があるのかで、その先に試してみたいことは変わってきます。

ブログ案内犬しろちゃん

学んでみたら、「思っていたのと違った」ってなることもある?

まい

あると思う。わたしにもあるよ。でも、どこが好きで、どこにはあまり興味がないのかが分かるのも、自分を知る手がかりになるんだよね。

詳しくならないと「好き」と言ってはいけないわけではありません。資格がなくても、好きなものは好きでいい。

そのうえで、もう少し知りたくなったときに、学ぶ道筋の一つとして資格があるのだと思います。

資格取得まで進まず、本を読んだり、短い講座を受けたり、実際に何かをつくってみたりするところからでも十分です。

すべてを仕事に結びつけなくても、自分の好きなものが少し分かって、日々が楽しくなる。それも、学ぶ意味の一つではないでしょうか。

苦手だったことに、近づくきっかけになる

資格の勉強を通して得たものの中で、わたしにとって大きかったのは、苦手なことにも取り組んでみようと思えたことです。

社会人になりたてのころ、わたしはお金のことがよく分かりませんでした。

社会保険って何? 貯蓄はどう考えればいいの?

そういう「大人なら知っていて当たり前」に見えることを知らない自分が、なんだか心もとなかったんです。

しかも、もともとは苦手なことに近づきたくないタイプ。分からないものや難しそうなものは、できれば避けていたいと思っていました。

でも、宅建の勉強をして合格したときに、ひとつ気づいたことがありました。

「あ、わたしにも、自分なりの勉強の進め方が分かってきたかも」

知らないことでも、少しずつ学んでいけば理解できることがある。そう思えたことで、今度は苦手だったお金の分野を学んでみようと、FPの勉強を始めました。

年金、保険、税金などを学ぶうちに、それまで分からないままにしていたことが、少しずつつながっていきました。

もちろん、勉強したから何でも分かるようになったわけではありません。

それでも、何を調べればよいのかが分かるようになったり、説明を読んだときに以前より理解できたりする。その積み重ねで、「お金のことは全部苦手」という感覚が少し変わったんですよね。

そして、自分から苦手なことに近づいて、分かることを増やせた経験が、「ほかのことも、少しずつなら挑戦できるかもしれない」という自信になりました。

わたしにとっては、資格そのものと同じくらい、この経験が大きな収穫でした。

資格には、学ぶ範囲や目標がある程度決まっているというよさがあります。何から手をつければいいか分からないときに、それが助けになることもあります。

ただ、苦手なことを全部克服しなければいけないとは思いません。

今の自分に必要なことや、少し気になっていることから始める。難しければ、範囲を小さくしたり、学び方を変えたりしてみる。

そんな取り組み方でも、「分からなかったことが少し分かるようになった」という経験は残ります。

資格は、わたしを思い出すためにある

ここまで、資格や学びが持つ4つの役割をお話ししてきました。

  • これまでの経験の輪郭を、はっきりさせてくれる
  • 自分の経験や知識を、人に伝える手がかりになる
  • 「なんとなく好き」の中身を知るきっかけになる
  • 苦手なことに近づき、できることを増やす助けになる

こうして振り返ると、わたしにとって資格の意味は、合格した瞬間だけにあったわけではないのだと思います。

勉強する中で、自分がやってきたことを捉え直したり、興味のあることに気づいたり、「これならできるかもしれない」と思えたりした。

そして、学んだことを仕事や暮らしの中で使ってみて、後から意味が見えてきたこともありました。

「資格は、わたしを思い出すためにある。」

それは、資格がないと自分らしさが見つからない、という意味ではありません。

毎日の仕事や家庭のことに追われる中で、後回しになっていた自分の興味や、当たり前だと思っていた経験に、学びを通してもう一度目を向けられる。わたしは、その感覚を大切にしたいと思っています。

だから、もし今、取った資格を活かせていないと感じているなら、すぐに次の資格を探さなくても大丈夫です。

なぜ、その資格が気になったのか。

勉強していて面白かったのは、どんなところだったのか。

今の仕事や暮らしで、少しでも使っていることはないか。

そんなふうに振り返ると、合格証や履歴書だけでは見えなかったものが、見つかるかもしれません。

今ある経験を整理することも、学んだことを小さく使ってみることも、次の一歩です。

資格を取ったことが、そのまま仕事につながらなかったとしても、そこまでの自分を丸ごと否定する必要はありません。費やした時間やお金を惜しんで、無理に使い続ける必要もないと思います。

今の自分にとって何を残し、何をこれからにつなげたいのか。その視点で、もう一度見直してみてほしいです。

経験や資格を、これからどう活かすか迷ったら

「取った資格はあるけれど、どんな仕事につながるか分からない」

「自分の強みと言われても、うまく言葉にできない」

「何か始めたいけれど、資格を取ることが今の自分に合っているのか迷っている」

そんなときは、一人で結論を出そうとせず、お話ししてみませんか。

キャリア相談では、仕事だけでなく、家庭や学び、趣味なども含めて、これまでの経験や今の気持ちを伺います。

新しい資格を取ることも、すでに持っているものを活かすことも、別の方法を試すことも。今の暮らしや大切にしたいことを踏まえて、一緒に整理していきます。

やりたいことや相談内容が、はっきりしていなくても大丈夫です。

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さわだ まい
資格好きの主婦
行政書士・宅建士・FP・保育士・危険物などいろいろな資格を持っています。
6歳5歳の育児の傍ら、更なる資格取得にチャレンジします。
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