こんにちは。資格と勉強が好きな主婦ライター、さわだまいです。
「AIに仕事を奪われる未来」
──そんな言葉を聞いて久しいですね。最近のAIの進歩はすさまじく、不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
特に、子育てやパートの合間にキャリアを見直そうとしている方にとって、「これから何を学べばいいのか」「資格って本当に意味があるのか」は、大きな悩みのひとつだと思います。

何を勉強すればいいの?どんなスキルが必要なの?
私自身、これまでいくつもの資格を取得してきましたが、すべてが活かせたわけではありません。それでも、「これはAI時代でも強いな」と感じる資格がいくつかあります。
今回はその中から、人にしかできない力を活かす3つの国家資格──中小企業診断士・ITストラテジスト・公認心理師──を取り上げ、それぞれの価値や活かし方について詳しく紹介します。
これからの時代を、少しでも前向きに歩んでいくヒントになりますように。



資格好き主婦のまい(@maisawaco)です。
行政書士、宅建、FP2級、簿記3級、カラーコーディネーター、色彩検定2級、福祉住環境コーディネーターなど15種類の資格を持つ資格好き。
事務歴は2社10年。
現在はライターとWeb制作会社でのパートを兼業中。
「AIに仕事を奪われる」が不安なら、学び方を変えてみる


最近、「この仕事、将来もあるのかな…」という不安の声を、SNSや友人との会話でもよく聞きます。
特に、子育てがひと段落して働き方を考え始める女性や、パートから正社員を目指している方にとって、「どんなスキルを身につけるべきか」は切実なテーマですよね。
私自身、資格の勉強を通してキャリアを模索してきたタイプですが、「AIが進化するこの時代に、そもそも資格って意味あるの?」と立ち止まったこともありました。



自分の仕事が将来あるかもわからない昨今、「資格なんてもっと意味がない」と言われることもあります。
AIに置き換わりにくい職種


でも調べてみると、AIに置き換わりにくい職種には、ある一定の共通点があることに気づいたんです。
- 状況に応じた判断が必要(マニュアル化できない)
- 相手の気持ちをくみ取る対話や交渉がある
- 道徳的・倫理的な判断が求められる
- 多様な視点から創造的に考える力が必要
- 関係性を築きながら、継続的にサポートしていく仕事
AIは便利で強力なツールですが、現実の「人間関係」や「空気感」「本音」といった曖昧な要素にはまだ弱いのが事実。
だからこそ、“人間だからこそできる仕事”を支える資格が、これからますます重宝されるます。



そこで今回は、「これからの時代に価値が落ちにくい」と感じた資格を3つ、厳選して紹介します。
※念のためお伝えしておくと、私はこの3つの資格を実際には持っていません。ただし、どれも長く調査・比較してきた分野であり、自分や周囲の経験を通じて感じた「リアル」を含めてお伝えしていきます。
① 中小企業診断士|現場に寄り添いながら“経営の意思決定”を支える専門家



中小企業診断士って、聞いたことはあるけど、何をする人?



日本で唯一の“経営コンサルタント”系国家資格です。
企業の経営課題を分析し、改善策を提案し、場合によっては経営者と一緒に実行していく。その過程では、財務・人事・マーケティング・法務・ITなど、会社を動かすすべての知識を使います。



そんなのAIのほうが向いてそうだけど…



それがね、“数字”だけならAIでも分析できる。でもね、“この会社に今、必要なのはなにか”を見抜くには、人の目と耳と心が必要なの
たとえば、ある店舗で「売上が落ちている」とAIが分析したとき、「在庫管理の効率化」や「広告戦略の見直し」が機械的に提案されることがあります。
でも実際に現場を訪れた専門家がヒアリングを重ねると、「ベテランスタッフが辞めて雰囲気が悪くなり、常連客が減っていた」といった“数字に表れない空気の変化”が売上に影響していた、というケースもあるのです。
こうした人間関係や空気感といった“感情を含む判断”は、今のAIにはまだ難しい分野です。
さらに、信頼関係を築きながら、継続的に支援していくスタイルが求められるため、人とじっくり関わるのが好きな人には向いています。
中小企業診断士の活かし方
- 企業内で経営企画・DX推進・事業戦略などに関わる
- フリーランスの経営支援者として独立
- 地域の中小企業支援センターや商工会議所と連携して活動
- 副業として小規模企業のスポット相談に対応する道も
特に注目したいのは、AIやデジタル技術の導入支援です。
中小企業にとって、DXは「やりたいけど、何から手をつけていいかわからない」分野。そこに診断士が入って、技術を翻訳し、経営戦略とつなげる“橋渡し役”になれるんです。
難易度と対策
一次試験・二次試験ともにハードルは高めで、最終合格率は例年4〜8%前後。ただ、社会人経験がある人には「実務と結びつきやすい」と感じられる内容も多いです。



特に一次試験は、経営理論、財務・会計、情報、運営管理、法務……と分野は多岐にわたりますが、社会人であれば興味深く、経験から得意とする分野もありそうです。
通信講座や独学の合格者も増えてきているので、計画的に学習できる環境があれば、現実的に狙える資格といえます。
ほかにもある!人間らしさが成功につながる専門家資格
行政書士
書類作成や法務手続きのスキルを活かし、企業の補助金申請や手続きサポート。手続きは機械的な作業でも、一番大切なのは顧客とのコミュニケーション。丁寧な関わりが成功の肝となります。地味でも、確実に「人の信頼」を勝ち取る実力派。
FP
家計や資産管理の視点から、個人・企業経営のアドバイスを。数字を追うだけならAIでもできる。ヒアリングと細かな視点、人の生活に寄り添う「温かみ」が武器に。
② ITストラテジスト|“ITを使う側”の視点を持ったビジネス戦略家


「ITって、詳しくないとムリでしょ…」と思ったあなたへ。
実はこの資格、コードを書けることよりも、テクノロジーをどう経営に活かすかという「構想力」や「経営視点」が重視されるんです。



アプリケーションとかAIを作る資格かい?



むしろ、“どこにAIを使うべきか”を考える資格なんだよ
たとえば、ある製造業の現場で「人手不足だからAI導入を検討中」という相談があったとします。
ITストラテジスト的な視点なら、「その業務がAI導入に本当に向いているのか」「投資対効果は見合うか」「他の業務改善とのバランスは?」といった上流工程の戦略立案から関わります。
言い換えれば、ITに振り回されずに使いこなすための“舵取り役”とも言える存在です。
ITストラテジストの役割と価値
- 企業のIT戦略立案(DXやAI導入も含む)
- 新規事業やサービスのIT活用設計
- 既存業務の改革支援(業務フローの見直し・システム選定)
- 経営層への提案や説明責任を担う立場
この資格が注目される背景には、「ただのシステム屋では通用しない時代」があると感じます。
現場で「エンジニアと経営者の話が噛み合わない」という場面、見たことありませんか? その間をつなぎ、現実的な選択肢を示す存在が今、強く求められています。
難易度と学習ポイント
ITストラテジストは、情報処理技術者試験(IPA)の中でも最難関レベルの一つ(レベル4)。特に午後Ⅱ論述問題がハードルになります。
とはいえ、現場経験や業務改善に関心のある方なら、「試験内容が実務と結びついている」と感じることも多いです。
- 経営視点+すでにITリテラシーがある人におすすめ
- 実際に企画書や提案書を作ったことがある人は、論述にも強くなれる



ちょっと難しそうだけど…かっこいいね



エンジニアじゃないITの専門家”って感じだね。これからの社会では、すごく貴重なポジションだと思うよ
ほかにもある!職場で役立つIT&DX資格
ITパスポート
ITの基本知識を押さえ、現場の「使い手」としての土台づくりに。文系主婦でも取り組みやすく、在宅ワークとの相性も抜群。



IT資格の登竜門にして、非IT系人材にも基礎知識としてぜひ取得してほしい資格。500以上の資格を持つ資格ソムリエ®林雄次さんもイチオシの人気国家資格です。


MOS
Excel、Wordなどのoffice製品の熟練度を示す資格。実務に直結するスキルで、オフィス環境でのデジタルサポートに役立つ。office製品を送り出すMicrosoft社の生成AI、Copilot(コパイロット)のスキルとのかけ合わせで、ミニDXを実現すれば、現場で重宝されること間違いなしです!


③ 公認心理師|“心の声”を聞き取る、AIにできない仕事
3つ目に紹介するのは、心理職として2017年に国家資格化された「公認心理師」。
医療・教育・福祉・司法・企業など、多様なフィールドで“心のケア”を必要とする人の支援を行います。
一見、AIとは無関係のように見えますが、実は今後ますますニーズが高まる仕事の一つです。



AIができないことって、意外と“人の感情を受けとめる”ことだったりするよね



一時的な返答は、AIにも可能。まるで人の感情に寄り添った回答ができるよ。大切なのは、真に相手の心理や微妙な感情を読み取ること。人間らしい、複雑で総合的な対応はまだAIには難しい。
実は、夫が公認心理士です。精神科のある医院で働いています。
心理支援が求められる背景
- 働き方の多様化で、メンタル不調の相談が増加
- 発達障害・不登校・虐待・家庭内ストレスなど、複雑な課題の顕在化
- SNS時代での人間関係疲れ・孤独感の広がり
「話を聞いてもらえる場所があるだけで救われる」──そういう声を、私も何度か耳にしてきました。
公認心理師は、カウンセリングだけでなく、相談しやすい環境を整える役割も持っています。
AIチャットが話し相手になる時代とはいえ、本当に気持ちを汲みとってくれる相手が“人間であること”には、やっぱり意味があると感じます。



人に話を聞いてもらいたい。AIとの対話には虚しさを感じるという人も、いるでしょう
活かし方と注意点
- 病院やクリニック(心療内科)での心理相談
- 学校や教育機関でのスクールカウンセラー
- 企業でのメンタルヘルスサポート(産業カウンセラー)
- 地域での支援活動、NPOなどと連携した活動も
ただし、公認心理師は取得までにルートが限定されています。基本的には、大学で指定科目を履修し、実習も含めた上で国家試験に挑まなければなりません。
※一部、実務経験ルートもありますが、条件は年々変わっているので要確認です。
また、同じ心理分野には「臨床心理士(民間資格)」もあり、現場によっては併用されることも。



取得は難しいですが、国家資格、歴史ある民間資格として有用。これからの時代に必要な資格です。
ほかにもある!心をつなぐコミュニケーションの達人資格
民間カウンセラー資格
心理カウンセリング系の国家資格は、公認心理士しかありません。しかし、通信講座で取得可能なカウンセリング資格は数多くあります。
病院や施設で使える資格は少ないですが、個人のカウンセリングや職場で「聞く力」を発揮するなど、資格を活かすポイントはたくさんあるでしょう。柔軟な働き方で、地域に根ざした支援も可能です。
キャリアコンサルタント
人生経験豊かなあなたが、自分と同じ悩みを持つ人々にアドバイスできる資格。直接的な「対話力」が武器になります。



2025年私も受けようと思っている資格です。実務経験のない方は、まずは養成講座の受講から
まとめ|AI時代の“資格選び”は、ツールではなく「視点」を得るため


今回紹介した3つの資格──
- 中小企業診断士
- ITストラテジスト
- 公認心理師
これらはすべて、“人間だからこそできる”力が求められる資格です。
そして共通するのは、相手の立場に立って考える力、課題の本質を見抜く思考力、社会とのつながりを意識した視点が必要だということ。
資格はゴールじゃなくて、ものの見方を増やす“レンズ”みたいなものかも
正直、資格を取っても思ったように活かせないことはあるし、私自身も「宝の持ち腐れになってる」と思う資格もあります。
でも、学ぶ過程そのものが“思考力”や“視野の広さ”につながることは間違いありません。
この記事が、「AIに負けないために資格を取る」というより、「AIと共存する時代に、自分らしいキャリアを描くために何を学ぶか?」を考えるきっかけになれば嬉しいです。