「社労士事務所って、なんだか大変そう…ブラックって聞くけど本当?」
「未経験から社労士事務所に転職したいけど、やっていけるか不安…」
かつて未経験から社労士事務所の世界に飛び込んだ私も、最初は同じような不安を抱えていました。

ネット上には「社労士事務所はブラック」「きつい」といった声も多く見られますよね。実際、私も働くなかで「これはキツイ…」と感じた場面は、たくさんありました。
でも、結論から言うと、すべての社労士事務所がブラックというわけでは決してありません。 働きがいのある事務所も、成長できる環境も、ちゃんと存在します。
この記事では、私の実体験を包み隠さずお伝えしながら、
- 社労士事務所のリアルな「きつさ」とは?(私の体験談)
- なぜ「ブラック」と言われるのか?その背景
- 要注意!ブラック事務所を見抜くチェックポイント
- 「ホワイト」な事務所の特徴と、後悔しない選び方
- もし「ブラックかも…」と感じた時の考え方
について、元職員の視点から本音で解説していきます。



社労士事務所への一歩を踏み出す際、あるいは今の働き方に悩んでいる場合に、少しでも参考になれば嬉しいです。



資格好き主婦のまい(@maisawaco)です。
行政書士、宅建、FP2級、簿記3級、カラーコーディネーター、色彩検定2級、福祉住環境コーディネーターなど15種類の資格を持つ資格好き。
職歴は、商社事務→社労士法人補助者→個人事業主としてライター。
元職員が語る!社労士事務所のリアルな「きつさ」(私の実体験)
私が実際に社労士事務所で働いてみて、「きついな」「ブラックかも…」と感じたのは、主にこんな点でした。



最近元同じ事務所の方と偶然会って、共有した内容です(笑)
常に時間に追われるプレッシャー


とにかく毎日、時間に追われていました。
社会保険の手続きにはそれぞれ提出期限がありますし、お客様からは「〇〇について教えて」「△△で困っている」と電話がかかってきます。繁忙期の業務量はある程度覚悟していても、日頃からやることは数多くあります。
常に頭の中で優先順位を考え、マルチタスクをこなす必要があり、息つく暇もない……とまではいいませんが、ほっとしたりのんびりする時間は少なかったな、というのが正直な感想です。



特に繁忙期はとっても忙しい……


膨大な業務範囲と覚えることの多さ


社労士事務所の仕事はm手続き業務だけでなく、給与計算、労務相談、助成金申請、就業規則作成…と、業務範囲が広いんです。
しかも、労働・社会保険の法律は毎年のように改正されるので、常に最新情報をキャッチアップし続けなければなりません。



やることも、覚えることも多すぎる……と感じることもありました
長時間労働と有給の取りづらさ
また、繁忙期はもちろんですが、普段から多少の残業は当たり前という雰囲気。
定時で帰れることは稀で、夜遅くまで事務所に残っている人も多かったです。有給休暇は、閑散期には自由に取れますが、繁忙期には取りづらく、体調が悪くても無理して出勤する…なんてこともありました。



労働基準法もかわったし、有給の取りにくさは今では大分改善されたと思います



社労士事務所なんだから、そこんとこちゃんとしてほしい!
ミスが許されない責任の重さ
手続きのちょっとしたミスが、お客様に大きな不利益を与えてしまう可能性があります。その責任の重圧は、想像以上のものでした。



医師や看護師のように命にかかわる職務ではないので、そこまで緊張感は持たなくてもよかったのかもしれませんが、ミスクレーム報告などにすごく時間をかける事務所だったので、次第にミスに対する恐怖が大きくなってしまいました
常に緊張感を持ち、ダブルチェックを徹底するなど、精神的な負担も大きかったです。



まぁ、お金に関することはシビアだよね
業務量に見合わないと感じる給与
これだけ専門性が高く、責任も重く、忙しいのに、「正直、お給料はもう少し欲しいな…」と感じてしまう場面もありました。もちろん事務所によりますが、一般的に高いとは言えないケースもあるようです。



ちなみに、私はパートで入ったので最低賃金にプラス少し程度。同じ事務所出身の現在行政書士の先生も、社員になりたかったのに低賃金でたっくさん働かされたと言っていました



給与体系はは事務所にもよるところも大きいかもしれないね
…と、ここまで書くと「やっぱり社労士事務所ってブラックなんじゃ…」と思われてしまうかもしれませんね。でも、少し待ってください!
なぜ社労士事務所は「ブラック」と言われがちなのか?その背景


私の体験談で挙げた「きつさ」は、社労士事務所という業態が持つ構造的な要因も関係しています。
- ビジネスモデル
顧問契約が主軸のため、常にクライアントからの要求に応え続ける必要がある。 - 人手不足
中小規模の事務所が多く、一人当たりの業務負担が大きくなりやすい。 - 繁忙期の存在
年度更新や算定基礎届など、業務が集中する時期が明確にある。 - 専門性の高さ
法改正への対応など、常に学び続ける必要があり、それが負担になることも。 - 経営者の意識
一部の事務所では、残念ながら労働時間管理やコンプライアンスへの意識が低いケースも。



社労士事務所って中小企業だから、人手不足や経営者の意識の影響を受けやすいんだよね



専門性が高いクライアントワークというのも、きつさの要因かもしれません
これらの要因が重なり、「ブラック」と言われるような労働環境が生まれやすくなっている側面があるのです。
でも、良い事務所もちゃんとある!私の経験から


「きつい」体験ばかりではありませんでした。私が働いていた事務所には、良い面もたくさんありました。
人間関係の良さ
幸い、私がいた事務所は人間関係には恵まれていました。分からないことがあれば丁寧に教えてくれる先輩がいましたし、困ったときには助け合う雰囲気がありました。これは精神的に大きな支えになりました!



同じ事務所出身の別の部署の方も、「人は本当に良かった」「現在の事務所も人が優しい」「士業事務所に勤める人は、みんな志が高くいい人なのかも」と言っていました。
資格取得への理解
資格取得には理解があり、繁忙期でなかれば試験前には休みを取りやすくしてもらえました。これは本当にありがたかったです。(社労士試験は、試験の1ヶ月前まで繁忙期なわけですが……)
このように、事務所によって環境は全く異なります。だからこそ、「見極め」が非常に重要になってくるのです。
資格手当が高い事務所もある
同じ事務所出身の行政書士の先生は、現在会計事務所に勤めているのですが、そちらは給与体系がとても良いそうです。資格手当も月数万円つくので、それだけでも大きいと言っていました。



インセンティブもあり、給与には満足しているそうです。
ほかにも、私が現在勤めている企業の顧問社労士の事務所は、補助者でも高年収。募集要項には「厳しい業務です!」と書かれていますが、良い先生で仕事もそこまできつくなさそうです。(意気込みのある人に来てほしいのかな)
後悔しないために!ブラック事務所を見抜くチェックポイント


では、どうすれば「ブラック」を避け、「自分に合った」事務所を見つけられるのでしょうか? 私の経験や反省も踏まえて、チェックすべきポイントをお伝えします。
【最重要】口コミサイトは”参考程度”に、鵜呑みにしない!
「転職会議」や「OpenWork」などの口コミサイトは、確かに情報源にはなります。でも、注意が必要!
- ネガティブな情報が多い
不満を持つ人ほど書き込む傾向があります。 - 情報が古い可能性
今は改善されているかもしれません。 - 個人の主観
その人には合わなくても、あなたには合う可能性も。



僕も書き込んだからわかる。転職活動をしている=退職したいor退職したから書き込んでいるんだもんね



「あくまで参考」と割り切り、複数の情報源と照らし合わせましょう。
事務所のHP・ブログを徹底的にチェック!
情報発信をしている事務所は、ぜひ細部をチェックしてください。
- 所長のブログやSNS
人柄や考え方、事務所の方向性が見えてきます。更新頻度もチェック! - 所員紹介
どんな人が働いているのか?顔写真やコメントがあると、雰囲気が伝わりやすいです。 - 事務所の理念やビジョン
自分の価値観と合っているか確認しましょう。 - 情報発信の内容
専門情報だけでなく、事務所の日常や働き方に関する発信があると、よりリアルな姿が見えます。



最近ではホームページなどの情報発信に力を入れる事務所も増えてきました。ミスマッチを防ぐためにも、ぜひチェックしてくださいbyホームページ制作会社サポートデスク
面接は「見極める場」!逆質問で本音を探る
面接は、あなたが事務所を選ぶ場でもあります。遠慮せず、気になることはどんどん質問しましょう!



雇用は「契約」です。希望の条件にマッチするか、あなた側からもジャッジしてください!
私が実際に聞いた/聞けばよかったと思う質問例をご紹介。
「入社後の教育体制は具体的にどのようになっていますか?(OJT担当は?研修は?)」
OJTは担当制などしっかりしていた方が良いですが、研修に行かせてもらえるなどOFF-JTも充実していると安心。
「1日の業務の流れや、主担当となるクライアント数・業種について教えてください。」
クライアントが多ければ多いほどやっぱり忙しい傾向はある……。一概には言えませんが、業種の幅が広いと勉強にはなります。
「残業時間は月平均でどのくらいですか?繁忙期はどの程度になりますか?(具体的な数字を聞く!)」
具体的な数字で伺うのが大切です!求人票の平均残業時間は、年間の平均で繁忙期の残業量とは異なる場合も多いので要注意。



少な目に書かれていることも多いよね……
「有給休暇の取得率や、取得しやすい雰囲気について教えてください。」
取れるタイミング(「子どもの学校行事でしか取れない」など)や、取りやすい雰囲気も大切なポイントです。
「過去1年間の離職率、または平均勤続年数を教えていただけますか?」
離職率が高い事務所もあるのは事実……うまい聞き方で聞き出したいポイントです。



聞きにくければ、「長く働きたいと考えているのですが……と前置きするのがおすすめです。
また、質問への回答の仕方や、面接官の態度からも、事務所の誠実さや雰囲気を感じ取ることができますね!
転職エージェントの活用(ただし、注意点も)
業界情報や非公開求人を持っていることがあります。
注意点
エージェントは紹介することが仕事なので、必ずしもあなたにとってベストな事務所を紹介してくれるとは限りません。エージェントの情報を鵜呑みにせず、自分で調べ、判断する軸を持つことが大切です。



さまざまなエージェントを使いこなし、こちらから最高の転職先を発掘してやる!という意気込みが重要です!
「ホワイト」な事務所の特徴と探し方のヒント
ブラックな事務所がある一方で、働きがいのある「ホワイト」な事務所も存在します。そうした事務所には、以下のような特徴が見られることが多いです。
- 労働時間管理がしっかりしている(勤怠システム導入、残業削減への取り組み)
- 給与・評価制度が明確で、納得感がある
- 教育・研修制度が整っており、成長をサポートしてくれる
- 風通しが良く、コミュニケーションが活発
- 福利厚生が充実している(退職金、資格取得支援など)
- コンプライアンス意識が高い
探し方のヒント
- 上記「選び方」を参考に、複数の事務所を比較検討する。
- 社労士会の研修や地域の勉強会に参加し、情報収集や人脈作りをする。
- 「自分が働く上で何を一番重視するのか」(給与?ワークライフバランス?成長環境?人間関係?)を明確にする。これが事務所選びの「軸」になります。
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もし今いる事務所が「ブラックかも…」と感じたら
この記事を読んで、「やっぱり、うちの事務所って…」と感じた方もいるかもしれません。



私事務所にいたころは、ブラックなのかそうでないのか曖昧でした……
まず、一人で抱え込まないでください。
- 状況を整理する
何がどう辛いのか、客観的に書き出してみましょう。 - 証拠を集める
タイムカードのコピー、給与明細、メールなど、具体的な記録を残しておくと、いざという時に役立ちます。 - 相談する:
- 信頼できる同僚や友人、家族
- 労働基準監督署(総合労働相談コーナー)
- 弁護士(労働問題に強い)
- 転職を考える
心身の健康が第一です。無理だと感じたら、次のステップに進む準備を始めましょう。上記の「選び方」を参考に、次は失敗しないように慎重に情報収集を進めてください。
後悔しない選択をするために
社労士事務所の世界は、確かに厳しい面もあります。私の体験談からも、その一端を感じていただけたかもしれません。
しかし、すべての事務所がブラックではありません。 そして、大変なことばかりではなく、お客様から「ありがとう」と言われた時の喜びや、専門家として成長できる実感など、社労士という仕事には大きなやりがいがあります。
大切なのは、「ブラック」のイメージだけで諦めたり、一つの情報に惑わされたりせず、あなた自身の目でしっかりと見極め、納得のいく選択をすることです。
この記事が、あなたの後悔しない事務所選び、そしてより良いキャリアを築くための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。