こんにちは!まいです。
私は資格好きの主婦で、行政書士、宅建士、FPなどの資格を持っています
今回は社労士になりたくて、受験生をしながら社労士事務所に入ったのに、結局仕事も受験も辞めてしまった私自身の話をしたいと思います。
社労士試験を考えている方の中には、現在全く別の仕事をされているという方も多いかと思います。社労士の働き方や、社労士事務所の雰囲気について気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今日は、私が社労士事務所に入って感じた体験談もお伝えするので、イメージがしやすいかと思います。
ぜひお付き合いくださいね。
私の経歴~行政書士資格取得後、社労士事務所へ~
まずはざっくり私の経歴をお話します。
資格好きで行政書士資格を取得する
私はOL時代に宅建から行政書士資格までを取得しました。行政書士資格に合格したのは29歳の時です。
宅建を取得後、職業や資格自体に魅力を感じたのは社労士でしたが、宅建の特に権利関係の勉強が楽しく、勉強内容でまずは行政書士試験に挑戦しようと思いました。
当時はダブル、トリプルライセンスに魅力も感じていたので、行政書士試験に合格後、社労士を受験すれば良いやと思っていました。
結婚後、退職し、社労士事務所へ
行政書士をサクッと合格し、社労士試験の勉強をするはずが、行政書士試験合格までには3年もかかってしまいました。
思ったより勉強にやる気が出ず、勉強しに行ったカフェで一人でお茶をして帰ってくる、行政書士試験受験生を名乗れないような2年間を過ごしていたのです。
そのうちに現在の夫と出会い、結婚の話にまで進んでいました。夫の住む土地とは少し距離があったため、私は勤めていた会社を退職しました。
引っ越した先の求人で見つけたのが、私の勤めていた社労士法人です。
この法人は会計グループで、私がOL時代から「ここで働きたいな」と憧れていた場所でした。
ハローワークで見つけた求人ですが、私の前に何人も受けているがダメだったと言われていたので、合格した時はとても嬉しかったです。
私はもともと早く子どもが欲しかったことと、出産後も子育て優先で働きたかったためパート志望でした。
採用された社労士法人も、働く女性が多くライフスタイルに合わせた働き方ができ、希望すれば正社員にもなれます。
将来的に社労士となって、ぜひ働き続けて欲しいということで採用が決定しました。
でもやめちゃったんだよね
最終的には妊娠・出産のために退職したことになりましたが、上記のように妊娠・出産後も働き続けられる環境です。
この面接の時から退職するまで、実質トップの方、上司の方々にはとても良くしていただきました。職場の雰囲気も良く、人間関係の悩みは少なかったです。
それなのになぜやめてしまったのでしょうか。
これからはいよいよそのお話をしていきたいと思います。
社労士事務所を辞めた理由は、「そもそも社労士になりたくなかった」から?
退職を決めた時は様々な理由があるように思っていましたが、結局は理由は一つだったように思います。それは、「結局社労士になりたくなかった」から。
私は社労士に魅力を感じていましたが、実際に自分が社労士となってバリバリ働く姿がイメージできていませんでした。実際の社労士の仕事を目の当たりにし、なんとなく憧れていただけだったのだと気づいたのです。
社労士資格が欲しかった理由は「条件の良さ」でした
まずはそもそも私がなぜ「社労士資格が欲しい」と思ったのかお話します。
・社労士の仕事内容が魅力的に思えた
・士業には憧れていたけれど、独立ではなく、会社の総務や社労士法人等、組織に所属して働きたかったから
・社労士にならなくても、転職時にも有利な難関資格
・頑張って独立したら、結婚後、子育て中も働きやすそうだったから
大きくこの4つの理由です。
社労士って総合的にいろいろ融通が利く資格に思えました。
・年金や社会保険など自分の身の回りについての知識もつくし、
・独立も雇われもどっちも可能
・総務としても転職に有利になるかも
・独立した場合も専門職で一生働ける
社労士としてこういう仕事がしたい!というよりも、この「士業でありながらうまく立ち回れる資格」ってことに一番大きな魅力を感じていました。
社労士は女性に向いている士業といわれている→自分にも適性があるかも?
また、社労士という資格はよく、「女性に向いている」と言われますよね。
そのため、私は女性である自分にも適正があり、うまくやっていけるのではないかと思っていました。
・書類作成などの細かな作業が女性は得意
・顧客とのコミュニケーションでやわらかな印象を与える、気配りができる
・女性のライフスタイルに合った働き方ができる
女性ってやっぱり仕事が丁寧な人が多いし、整理も得意な人が多いですよね。
コミュニケーション能力も高い方が多くって、保険の外交の方とかすごくうまいなぁって思います。
女性のライフスタイルに…というのは適正というか女性側のメリットですが、独立系の仕事の多くはそう言われています。
実際に社労士事務所で働いてみて、私自身これらの理由には反対しません。上記のような面は確かにある思います。
実際に私が見た感想についてはこちらの記事もご覧ください
私自身もその時8年事務をやってきていたので、ある程度書類関係の作業には自信があったし、コミュニケーションもまぁまぁ取りやすいかなと思っていました。
気分はもう「うん、私、社労士の適性あるかも?」という感じです。
社労士はメリットも多いし、適性もある!これはもう目指すしかありません!
…でも、いざ社労士補助者になってみると、「女性には向いていても、私には向いていないかも」と思うことが増えていきました。
思っていたイメージと実際の社労士の仕事は違っていた
既に述べたようにイメージと思い込みで社労士を目指した私でしたが、実際に働いてみると、社労士や社労士事務所の仕事や働き方は、私が思っていたイメージと異なりました。
社労士は「書類作成」をあまりしない
恐らく補助者を雇っている多くの先生は書類作成をあまりしないのではないかなと思います。
私がいた社労士事務所では社労士資格を持っている人は、書類の作成をほとんどしませんでした。
私がいた社労士事務所(社労士法人)は比較的大きな事務所で、社労士が全部で7〜10名程、補助者も(増減が多いんですが)8〜15名程いました。
そのため、業務が分担されているのですが、社労士は主に顧客の相談業務やコンサルティング業務をし、補助者が書類の作成をします。
社労士の1号業務(社会保険や労働保険の手続き書類の作成・提出代行など)はほぼ補助者が行っている感じです。
おそらく多くの事務所でこのように業務を分けている場合が多いと思います。
それと、大前提として雇用保険や社会保険の加入喪失など、通常の手続きは電子化が進み、ほとんどペーパーレスで行います。簡単にいうと手書きではなく、電子申請のためのPC作業になります。
なので、書類作成が得意かどうかは、社労士の適性にあまり関係ありません。
補助者として書類作成をしても失敗…
それに加えて、補助者として書類に関わっても、別に書類の作成がそれほど得意ではありませんでした。
書類作成は前提になる事項の判断の方が大事です。
たとえば、
・育児休業中に第二子の懐妊。まずいつ何の手続きをする?
とか
・社会保険の被扶養者。年金額はいくらまで大丈夫?
とか、その前の判断が山ほどあります。
得意だと思っていても、山のように数があるので、見落としてしまった事項もあり。そんな時に限ってダブルチェックも落ちてしまい、ミス・クレームに繋がり…と…
補助者として書類作成も満足にできないとなると、どんどん自信をなくしていくようになりました。
やわらかな印象よりもまずは業務で信頼を得ることが大事
顧客とのコミュニケーションが柔和であることが女性のメリットですが、私にとってはそれがデメリットになる気がしました。
柔和なコミュニケーションというのは、「社労士として安心して仕事を任せられる」「信頼できる」のそのプラスαとしてのメリットだと思います。
やっぱり士業は顧客にとって大事な問題を扱うことが多いので、信頼が大事。
私は性質上優しそうなイメージを持たれやすいのですが、そんな雰囲気のデメリットとしては「本当に大丈夫?」と信頼が得にくいところがあります…
自分で言うのもなんですが、真面目ではあるので事務職や会社員としては評価されることが多いです。
でも、顧客に対しては信頼を得られるかは真面目だけではない、ほかの要素も必要ですよね。真面目で一生懸命でも、ドジそうな女性には、大事な仕事を依頼はためらうものです。
(まぁそれも思い込みで、業務を続けていれば実務力もつくし、まだ1、2年目でそんな判断は早すぎるのですが。当時は頭がいっぱいでした)
社労士補助者をしていて、特に受験生だったこともあり、顧客訪問はかなり行かせてもらいました。私は本来の自分ではだめだと精いっぱい背伸びをしていました。
数を重ねると信頼関係は築けていくのですが、その中でかなり自分が背伸びしていることに気づき、だんだんとストレスになっていきます。
人は成長するし、私自身も日々成長していきたいと思うタイプですが、理想と現実があまりにも離れていると、私のようにあまりガッツのないタイプは次第に疲れていきます。
ちょうどチームリーダーが産休に入り、人数が少なくなってしまったので、パートの私も社員並みの時間で働かなくてはならなくなってしまったこととと重なり、肉体的、精神的な疲労で落ち込んでいってしまいました。
そうなると思うような仕事ってなかなか出来ないですよね。
自分が目指す社労士像と、実際の自分自身の姿の違いが業務以上に大きな負担だったのかもしれません。
ライフスタイルに合った働き方は難しい
社労士は独立をすれば自分の裁量で働くことができます。
そして独立をしなくても、資格を活用してパートや勤務社労士として仕事をセーブしながら働くことも可能だと言われており、女性が働いていく上で大きなメリットの一つです。
でも、私は自分自身はライフスタイルに合わせた働き方ができないように思えました。
それはまた、私の性格によるものが大きいです。
私には管理能力と気合が足りない
私の周りの社労士はみな勤務社労士でしたが、一人一人個人事務所のような働き方をしていたので、女性社労士として独立した姿もなんとなくイメージが湧きました。たしかに、うまく調整すれば時間の融通などはできそうです。
でも、やっぱり自分には無理そうな気がしていました。
私の勤めていた事務所の女性(ママ)の社労士先生は大変優秀なのですが、その方々も子どもがケガしたときに駆けつけられなかったり、逆に仕事を男性の社労士に変わってもらったりしていました。
仕事は持ちつ持たれつお互いさまな部分があるので、それは当たり前だと思うのですが、優秀な先生方でその状態なのだから、自分ではまったく立ち行かなくなるのではないかと懸念が日々大きくなっていきました。
当時は子どもがいませんでしたが、早く子どもが欲しかったし、家庭優先にしたいと思っていました。でも社労士の仕事って自分という商品に顧客がついているものなので、片手間にできるような仕事ではありません。
それを両方うまくこなしているのは、先生方がもともと優秀だったのと、どちらも犠牲にしないという強い気持ちがあったこと、そして努力によるものです。
私はそれができるのかなと不安になりました。
加えて、私は気が弱く、自分の希望を会社に要求するのが下手で自己犠牲しがちです。独身ならばそれでもなんとかなっても、子どもがいたら犠牲になるのは家族ですよね。
どんなお仕事でもお母さんたちはその板挟みに悩んでいるのですが、私はこの職場でその板挟みに耐えられる自信がありませんでした。少なくとも、自分の意思を通している姿は全く浮かびませんでした。
ちゃんとした目標がないと頑張れない
社労士の業務がイメージとは違っても、社労士の仕事自体に魅力を感じて居れば資格取得や社労士業務を頑張ることはできます。
実際に、補助者の同期で2年目に社労士試験に合格した女性は社労士業務にやりがいを感じて「楽しい!」「面白い!」と頑張っていました。(繁忙期は22時くらいまでは普通に残業していましたが、元気でした)
社労士の先生方も、仕事なのだからいろいろあるとは思いますがすごくカッコよくお仕事されています。
社労士業務は確かにすごくやりがいのある仕事です。顧客の労務問題を解決できるし、助成金など利益を与えることもできます。感謝もされます。
たぶん、実務力がついて仕事と家庭のバランスをとれるようになれば、充実した日々を過ごせるのだと思います。
でも、それまでには子育てと仕事の両立で悩んだり、会社での人間関係で悩みながら実務力をつけ、勉強に励まなければなりません。
その期間は恐らく5年から10年か。
私は、社労士となってこの事務所でその期間を頑張れる気がしなくなっていました。
それは、社労士になりたいと思う気持ちがもともと弱かったからです。
結論:社労士は良い職業だけど、私は目標が曖昧すぎてやめちゃいました
その他にも、やっと子どもを授かれたので、無事に出産、育児をしたい。職場の人間関係の問題や苦手な顧客がいたり、仕事量が多いなど、10こくらい理由が重なって退職を申し出ました。
社労士事務所という場所は「労務を扱っているのに、実はブラック」なんてことが多いのですが、私の勤めていた法人はそんなことはありませんでした。
人間関係の問題も、嫌な人がいたというより、業務上関わる方が多すぎて疲労していったという感じです。
一番上の方も「労働条件も考える」「行政書士資格を持っているから行政書士法人への異動も考える」等言っていただいたのに、退職の意思がかわらなかったのは、私の考えの甘さというか。
ただ、一つ言えるのは私が辞めてしまった原因は、目標が曖昧すぎたからだと思います。
「社労士になってこういう仕事がしたい!」「社労士業務で労働問題を解決したい!」など、明確な目標やイメージがあれば、私が陥った悩みは解決可能なことだったかもしれません。
人から信頼されるように、実務力や営業力をつければいいし、他の女性の社労士先生も十分に活躍されていたので、真似してやれば良かったんです。
結局はそこまでなりたくなかったんですね。
妊娠も重なり、一番の理由は妊娠による退職ということで(実際に子どもを産んでからこの職場では働けないと思ったので)円満に(?)事務所を退職しました。
事務所を辞めた時には疲れていて、もう社労士資格も欲しくないし、資格試験も受験しないだろうなと思いました。
でも、退職後数年経とうとする今では、また何か勉強したいという思いは湧いているので、当時は本当に疲れていたのかもしれません。
これが私が社労士補助者と社労士受験をやめた理由です。
ここまで読んでくださったみなさんへ 社労士は良いよ(嘘じゃない)
私自身今でも女性に社労士はおすすめだと思いますし、社労士補助者から社労士になる道もありだと思っています。
けれど、自分自身はどちらも挫折しているので、読んで下さる方にはあまり伝わっていないだろうなと思い、今回記事にしてみました。
基本的には私の性格というか性質によるもの、そして考え方の甘さが理由だったかなと思います。(ちょうど事務所が一番忙しい年代だったのもあるみたいです)
でも、社労士を目指している方で、今は全く関係のないお仕事をされている方は、どんな社労士になりたいかもう一度考えてみるのも大事かなと思います。
社労士自体は素晴らしい職業でも、仕事は仕事なので良いことばかりではないと思います。それでもやりがいを持って楽しくお仕事できそうか。想像してみて、それでも頑張ろうと思えるなら本物ですよね。
自分は出来なかったけれど、バリバリ働く人は素敵だと思います。目標に向かい日々努力されている方を応援したいです。
そして私自身も、お母さんになったし、いい年にもなってきました。自分が何を目標に、どう生きていきたいか。そういうことももう一度、少しずつ考えていきたいと思います。
それでは、今日はこのへんで。
お読みいただきありがとうございました。