行政書士ってどんな資格?試験て難しいのかな……
行政書士は官公署などへ提出する書類等を作成・申請代行などができる資格だよ。独立開業すれば、自分らしい働き方が可能です。
こんにちは。資格好き主婦のまいです。
行政書士ってよく聞くけど、具体的にどんな仕事をしているのかわからない、どうすれば行政書士になれるのかわからないという方も多いでしょう。
そこで今回は、行政書士について資格の概要から難易度までは詳しく解説していきます。
実際に受験した私の感想などもお話するので、この記事を読めば行政書士試験についてなんとなく掴めるはず。
行政書士が何だか気になる。独立できる資格を取得したいという方は、ぜひチェックしてくださいね。
こんにちは!資格好き主婦のまい(@maisawaco)です。
私は行政書士、宅建、FP、カラーコーディネーター、簿記3級、ビジネス実務法務検定2級など15種類の資格を持つ資格好き。
学生時代の偏差値40台、主婦の立場から、記事寄稿やブログなどで資格試験のノウハウを発信しています。
試験の公示 | 令和6年7月8日(月) |
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願書配布・受験申込期間 | 例年7月下旬~8月下旬 郵送申込み:令和6年7月29日(月)~8月30日(金)消印有効 インターネット申込み:令和6年7月29日(月)午前9時~8月27日(火)午後5時 |
試験日 | 例年11月第2週の日曜日 ※令和6年度行政書士試験(予定)令和6年11月10日(日) |
合格発表 | 例年試験翌年の1月下旬 ※令和6年度行政書士試験(予定)令和7年1月29日(水) |
行政書士ってどんな資格?
まずは行政書士資格がどんな資格なのかご紹介していきます。
行政書士とは
行政書士は、報酬を得て、官公署に提出する書類や、権利行使や義務履行に関わる書類などを作成する専門家です。
行政書士の業務は大きく分けると次の3つ
- 官公署に提出する許認可等の書類の作成、提出代理
- 遺言書や契約書等、権利行使や義務履行に関わる書類の作成等
- 書類作成のための相談業務
行政書士は街の法律家と言われるように、私たちの身近な法律に関わること〈許認可や相続など〉を扱っています。
行政書士が作成できる書類は、例えば
・法人設立手続き
・外国人の永住許可申請
・車庫証明
・遺産分割協議書
・示談書
・内容証明
など
ここに挙げたもの以外にも、その数は1万種類以上にのぼると言われています。
これらの書類を作成するためには、法務的な観点から相談に応ずる必要があります。書類作成のための相談業務も行政書士の仕事のひとつです。
身近なトラブルや書類関係で困ったらまずは行政書士に相談してみればいいね
行政書士とは法務的な知識を使って、顧客のために書類の作成や提出代理をしたり、作成のための相談に応じるスペシャリストなのです。
行政書士資格取得のメリット
行政書士資格を取得するメリットはこちら。
・独立開業できる
・一定の知識を証明できる
・ダブルライセンスで仕事の幅が広がる
詳しくみていきましょう!
独立開業できる
行政書士は独立系の資格です。
自宅開業できる、仕入れがない、会費が低価格など、他業種と比較して低予算で開業でき、必要なものも書類を作成するパソコンやプリンター、机やイスなどがあれば仕事ができるという身軽さがあります。
実務のほかにマーケティングや営業などの能力が必要になりますが、軌道にのれば年収1000万円、2000万円といった高収入も可能。
一方で、起業家として自分の裁量で働け、子育て世代の女性も自分に合ったライフスタイルで働くことができます。
行政書士として活躍されている人のSNSとかYouTube見てると憧れちゃいます!
高収入の先生もいれば、家庭もあって活躍している先生も大勢いらっしゃる!
一定の知識を証明できる
行政書士試験は難関の資格試験です。そのため合格するとある程度の学力、法律に関する知識の証明になります。
職場によっては、評価につながったり、就職・転職に有利になることも。
私の働いていた会計グループでも行政書士資格を持っていると有利になるよ
企業の法務部門や法律事務所でも重宝されそうだね
ダブルライセンスで仕事の幅が広がる
司法書士、社労士などの資格を取得して開業する場合に、行政書士資格を所有していると幅広い業務を行うことができます。
行政書士、司法書士、社労士はそれぞれ独占業務(その資格の所有者しか行ってはいけない業務)があります。そのため顧客からの依頼が他士業の業務に該当するものだと、他の事務所に仕事を外注したり、場合によっては依頼を断ることも。
ダブルライセンスをもっていれば、自分の事務所で全て業務を行えるため、仕事の幅が広がり収入や事務所の繁栄にもつながります。
私が働いていた社労士事務所の社労士先生にも行政書士資格の取得を目指している方がいたよ!
行政書士になるには
では実際に行政書士になるにはどうすればいいのでしょうか。
行政書士は
資格を得る
↓
登録をする
ことで、行政書士を名乗って仕事をすることができます!
行政書士資格を得る方法は3つ
まず行政書士資格を得るには3つの方法があります。
行政書士試験だけじゃないんだ!
そうなの!その3つがこちら
1.行政書士国家試験を受験し合格する
2.公務員として行政事務を一定年数担当する
3.弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格を持っている
一つ目は行政書士国家試験を受験し合格する方法です。多くの人にとって一番メジャーな方法ですよね。
行政書士国家試験については後で詳しく説明します!
2つ目は公務員で行政事務を一定年数担当した場合です。一定年数とは(中卒など)20年以上、高卒で17年以上です。
20年働けば試験を受けなくても行政書士資格が得られるんだ!
なので公務員を定年退職したあとに行政書士になるという方も多いんだよ
3つ目は弁護士、税理士など、特定の他士業の資格を有していることです。税理の先生が、関連業務を自社でさばくために、行政書士部門を開業されることもめずらしくありません。
行政書士として業務をするには登録が必要
試験に合格したり、公務員を長く続けたり、他資格を有しているだけでは行政書士を名乗り業務をすることはできません。行政書士として報酬を得て仕事をするには、行政書士登録をする必要があります。登録は自分の所属する都道府県の行政書士会で行います。
登録費用は、各地区の行政書士会ごとに違いますが、約20万円〜30万円ほどかかります。また、行政書士会の会費として年に6万円〜8万円ほど必要です。
登録には事務所に関する規定など、審査があるよ
このように登録には費用がかかるため、行政書士資格保有者の中には、資格だけを持っていて登録はしていないという人もいます。(私もそう!)
もちろん、行政書士試験に合格したら、早めに登録を済ませ、独立開業する人も多くいますよ!
登録費用を合わせても、比較的低予算で独立できる資格だって有名だよね
行政書士は自宅で開業する場合も多く、他の業種に比べて低コストで開業できます。会費も高くないので、サラリーマンや主婦の副業として登録している方もいるようです。
行政書士試験について
では、ここからは行政書士資格を得るための行政書士試験についてみていきましょう!
行政書士試験の概要
試験日 | 例年11月第2週の日曜日 ※令和6年度行政書士試験(予定)令和6年11月10日(日) |
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試験時間 | 例年午後1時~午後4時までの3時間 |
願書配布・受験申込期間 | 例年7月下旬~8月下旬※令和6年度行政書士試験(予定) 郵送申込み:令和6年7月29日(月)~8月30日(金)消印有効 インターネット申込み:令和6年7月29日(月)午前9時~8月27日(火)午後5時 |
受験手数料 | 10,400円 |
受験資格 | 年齢、学歴、国籍等に関係なく誰でも受験できる |
合格発表 | 例年試験翌年の1月下旬 |
合格率
合格率:10%前後
受験者数:約4万人
合格者数:約4000人
行政書士試験の合格率は10%前後。難関資格のひとつです。
4万人もの人がチャレンジしている資格なんだね
ちなみに申込者数は約5万人(1万人もの人が申し込んだのに受験しない!?)令和元年度の最高齢合格者は79歳、最年少合格者は15歳でした。
標準学習時間
標準学習時間:500時間〜800時間
標準学習時間は大手予備校、資格サイトなどでは500時間〜800時間とされています。
私もこれには納得
ただし、これは一発合格した人の1年間の勉強時間のため、不合格になってしまうと翌年も同じくらい時間が必要になることも。
ちなみに、宅建は200〜400時間、社労士は1000時間、司法書士は3000時間〜と言われているよ
試験内容
出題形式:マークシート方式(択一式)と記述式
問題数:60問
(法令等46問 一般知識等14問)
試験時間:3時間
試験科目:
行政法、民法、憲法、商法、基礎法学
一般知識(政治・経済、情報通信、個人情報保護、文章理解)
行政書士試験の出題形式はマークシートと記述式です。マークシートは5肢択一。問題数は60問ですが、そのうち政治経済や情報通信などの一般常識問題が14問出題されます。
試験科目は、行政法や民法、憲法など。行政法は比較的易しく得点源となる科目、民法は理解に力を入れたい科目と言われています。
行政書士試験は記述式と一般知識がネックだよね
そこまで難しく考えず、行政書士の記述式や一般知識は対策可能とも言われているよ
合格ライン
合格ライン:180/300点満点
行政書士試験は300点満点中180点以上。6割以上得点すれば合格できる絶対評価の試験です。ただし、法令等科目と一般知識でそれぞれに足切点が設けられています。
足切点:法令等科目の得点 122点以上(50%以上)
一般知識等科目の得点 24点以上(40%以上)
各科目で50%と40%、全体で60%以上の得点で合格になるんだね
過去一回(H26年度試験)だけ合格点が166点に調整されたけど、その年以外は毎年180点以上となっているよ
受験資格
受験資格:定められていない
受験資格は定められていないため、誰でも受けることができます。
誰でも受験できるの嬉しい
「社労士」は学歴などで受験資格が定められている資格試験なんだけど、行政書士に合格することで、社労士の受験資格を得ることもできるよ
資格偏差値
資格偏差値:62
資格に関する総合サイト「資格の取り方」によると、資格偏差値は62だそうです。
偏差62付近のその他の資格
・管理栄養士
資格の取り方 国家資格ランキング https://shikaku-fan.net/national_qualification_rank.php
・マンション管理士
・小学校教員資格認定試験
・核燃料取扱主任者
偏差値57の宅建より上、偏差値65の社労士より3つ下という感じ。
難しい試験だね
司法書士、公認会計士など超難関試験に比べて手の届きやすい試験ともとれるよ
一般的に言われていること
行政書士試験について一般的に言われていることはこちら。
・記念受験の人も多いので合格率が低くなっている
・法律を学んだことのある人にとっては登竜門的、易しい〜普通程度
・初学者にとっては難しい部類に入るが、時間をかければ十分に合格可能
・記述式と一般知識の出題の幅広さが難易度を上げている
行政書士試験は合格率10%前後と低くなっていますが、あまり勉強していない人も多く受けている試験です。
そのため、初学者でもきちんと勉強すれば一発合格も十分可能です
受験した私の感想
難易度:
難しい。でもコツコツやればいつかは合格できる試験
資格の難易度は星4つです。星5つの公認会計士、司法書士、不動産鑑定士などとは大きな差があります。星4つの中でも、社労士や中小企業診断士と比較して簡単だと感じます。
・きちんとした勉強をし、それなりに時間をかければ多くの人が合格可能
・300時間を超える勉強は、継続できる人とできない人が出てくるライン(継続した勉強が大事)
・法律系の勉強の楽しさを味わえる、学習内容が面白い
・難易度についてネット上で質問すると、「行政書士なんてとっても仕方ない資格」とめちゃくちゃ説教してくるおじさんが出没する確率が高い
法律に興味が少しでもある人なら、勉強内容も面白く、おすすめの資格です。
ただ、標準学習時間は500時間〜とある程度勉強量が必要になるので、人によっては頑張れなくなる場合も出てくるかもしれません。「行政書士資格をとるぞ!」という強い気持ちをもってコツコツ頑張ることが、この資格試験を攻略するカギになると思います。
行政書士試験の勉強法
では、そんな行政書士試験の勉強法をみていきましょう!
勉強時間は500時間以上
行政書士試験は500時間〜800時間の勉強は必要です。500時間なのか、800時間必要なのかは、人により異なります。
勉強に慣れているか、法学部出身等ベースがあるかどうかにもよります
ちなみに私の勉強時間は1年目100時間、2年目200時間、3年目300時間くらいでした。
特に1、2年目はあまりにも勉強しなさすぎ
他のことに夢中になってた!
私は宅建に合格していたので、多少(民法のすこーしくらい)のアドバンテージがありましたが、1、2年目はさすがに勉強しなさすぎ、120点と140点ほど(143点だったかな?)で落ちました。
3年目はH26年度の、行政書士試験史上初めて合格基準点が166点だった年で、176点で合格しました。難易度が特別高かった年で全然答えられず、合格発表日まで落ちたと思っていました。
ギリギリ合格だね…
きちんと一発合格するためには、優秀な方で400時間程度、自分が普通程度だと思われる方は500時間からは必須だと思います。
500時間〜というと、6ヶ月でも一日あたり2時間〜3時間は必要。
社会人や主婦は一日3時間以上勉強を時間を確保するのってなかなか大変ですよね。行政書士の学習期間は最低でも6ヶ月以上取るのが時間的に無理のないスケジュールだと思います。
おすすめの勉強法は?独学or通信講座なら通信がおすすめ
行政書士試験の勉強は、通信講座をおすすめします。
私はどちらかというと独学派。独学で済むものは独学での取得をおすすめしています。でも宅建以上の資格となると、勉強法に向き不向きが出てくるので、人により通信講座がおすすめな場合も。
それ以上の難易度の試験は、通信講座の方が効率が良いと感じます。
理由は
・効率的な学習カリキュラムがすでに組まれているから
・教材が厳選され、最短で合格に近づけるから
・コースによってはサポート体制があり、わからないことがあった時にすぐに解決できるから
・1年で合格できれば、コスパの面でも経済的
勉強が得意な方は、独学での教材選びや合格までのスケジュールの作成が難しくないと思いますが、多くの方にとって難関資格の教材選び、スケジュール作成は鬼門になります。
手当たり次第に教材を購入してしまったり、1つの教材をやりきれないまま次に進んでしまったり。スケジュールがうまくいかず、最初の方ばかり詳しく学んで、最後は駆け足で済ませることになってしまったり。
私も、基本的にはそういったタイプです
その点通信講座なら合格までに必要な教材がパックになっており、カリキュラムも既に組まれているので、すぐに勉強を始められ楽ちん。コースによっては質問などのサポートも充実しているため、独学でも挫折することなく学習をすすめることができます。
不合格になってしまうと時間ももったいないし、教材も最新版を買い足さなくてはならず結局費用もかかります。通信講座の受講料は、確かに独学よりも多少は高くなりますが、独学もテキストが多くなるとお金がかかる。不合格になってしまうとコスパの面でも疑問があります。
なので、やっぱりこれから勉強される方には、独学よりも内容が充実していて合格率の高い通信講座をおすすめしたいです。
行政書士におすすめの教材は
おすすめの通信講座
行政書士のおすすめの教材は
・スタでイング
・フォーサイト
・アガルート
・クレアール
・資格スクエア
・スタディング
です。
スタディングは人気講座の名で費用が安価なわりに、教材が充実。合格者も多数でバランスがとれた講座です。スマホでどこでも学習ができ、わかりやすい講義動画も5分~15分程度の単元ごとで使いやすい。コスパが高いと評判です。
本番環境とかわらない無料体験があるので、興味がある人はぜひ登録してみてください
\10%OFFクーポンがもらえる!無料講座をチェック/
フォーサイトは、2023年度の合格率45.45%と、全国平均の3.25倍の合格実績をたたきだす定番の通信講座です。
私自身も受講してみて、うすいテキスト、問題集など、教材もわかりやすくかなりおすすめです。
アガルートも合格率が高く、講座の質も高いと評判です。条件をクリアすれば合格後全額返金制度も、お祝い金制度もあります。
クレアールは学習サポートが充実しています。メールやファックスでも質問を受け付けていて、講座内容もボリュームがあり、通学講座並みの学習が期待できる通信講座です。
資格スクエアは運営会社が大きく信頼でき、パソコン、タブレット、スマホなどマルチデバイスでの学習が人気です。
行政書士の講座は充実していて、他にも
・ユーキャン
・東京法経学院
・資格のキャリカレ
・オンスク.JP
などがあります。
大手通信教育会社の多くが行政書士講座を出しているので、みんなしのぎを削っているよ。
独学の場合
独学が得意な方は、無理に通信講座を選ぶ必要ありません。受験勉強やその他の資格試験などで、独学での勉強に慣れている方は、市販の教材でも一発合格を狙えると思います。
私のおすすめテキストは、自分もお世話になった伊藤塾の「うかる! 行政書士 総合テキスト」です。
当時は資格試験に強い伊藤塾のテキスト、内容も充実しているということで選びました。
テキストに書いてあることを全て理解できれば、十分に合格点に達することができます
2019年度版からフルカラー対応になって、フルカラーが好みの人にとってはよりとっつきやすくなったと思います。巻末に別冊のハンディ六法がついているので、六法を別途購入しなくても良いのも嬉しい点です。
もう一つのおすすめは、「出る順行政書士 合格基本書 出る順行政書士シリーズ」。毎年行政書士受験生に人気の教材です。
行政書士はしっかり勉強すれば合格できる資格です
行政書士は独立可能な資格で、やり方次第で年収アップも見込め、主婦でも家庭との両立や自己実現などを目指せる資格です。法律の基礎的な部分を学べ、勉強内容も非常にためになるので、個人的におすすめしたい資格のひとつ。難易度のある資格のため、取得すれば評価にもつながります。
ただ、確かな勉強量も必要。まぐれで合格できる資格ではありません。
おすすめの勉強法は通信講座を使った勉強。6ヶ月以上の期間をとり、コツコツと勉強するのが無理もなく、結局一番の近道です。
勉強が得意な方は、独学でも大丈夫です
ぜひ自分に合った勉強法で、無理せずコツコツ勉強に取り組んでください。行政書士試験の突破は難しいけれど無理ではないので、きっと努力が実を結ぶ結果になると思います。
今日は行政書士についていろいろとまとめてきました。少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは、またどこかの記事でお会いでしましょう。