勉強したい気持ちはある。でも、仕事や家事、子どもの予定で一日が終わってしまう。
資格にお金や時間を使うなら、その先の働き方につながってほしい——。
子育て中の学び直しでは、「何を学ぶか」と同じくらい、「今の暮らしにどう取り入れるか」が気になります。
まい私自身、子育てをしながら資格の勉強をしてきました。
また、Webライターとして働くなかで、仕事の変化に合わせて自分の働き方も考え直してきました。
だからこそ、資格の名前だけを選ぶ前に、生活の条件と、すでに持っている経験を一緒に見たいと思っています。
今回、資格ソムリエのはやし先生こと林雄次さんと、「女性はこれから何を学び、どう働く?」をテーマに対談しました。
この記事では、そのなかから子育て中の学び方と、学んだ先の仕事の選び方に焦点を当ててお届けします。
後半には、対談を踏まえて、自分の状況を書き出せる整理表も用意しました。
先にお伝えすると、学び直しの入口は、講座への申し込みだけではありません。今使える時間、学びたい理由、活かせそうな経験を整理することも、次の選択につながります。
※2026年10月19日のXスペース『女性はこれから何を学び、どう働く? はやし先生×さわだまい』をもとに、発言の趣旨を保って抜粋・再構成した記事です。仕事の見通しや勉強法についての発言は、話し手の見解・経験として紹介しています。
子育て中の学び直しは、使える時間と優先順位から考える


子どもの年齢が変われば、学べる条件も変わる



同じ「子どもがいる家庭」でも、子どもの年齢や成長によって、自分に使える時間は全然違います。環境が数年ごとに変わっていくんですよね。
その変化に合わせて、どう勉強するか、どう働くかも考え直さなければならない。生活に適応しながら仕事や学びを選ぶとなると、「どうすればいいかわからない」と感じる方も多いのではないかと思います。



ライフステージや暮らし方は、一人ひとり違いますよね。
女性の場合、全員ではないけれど、出産などが選択肢に入ってくることで、キャリアのあり方がさらに多様になる面もあると思います。
雇用形態によって使える制度が違うこともありますし、自分がどうすればいいかを考えようとしても、状況が何から何まで違う。その難しさはありますね。
学びを最優先にできなくても、選択肢として持っていていい





学びたい気持ちがあっても、金銭的な余裕がなかったり、何を学べばいいかわからなかったりする。
パートで働いている方なら、「お金をかけて勉強しても、時給が上がるかわからない」と考えることもあると思います。
それから、「学びたい」と答えた人のなかでも、優先順位は違いますよね。同じ時間とお金があったら、まず家族に使いたい。学びたい気持ちもあるけれど、優先順位は三番目くらい、ということもある。
私は、学ぶ・学ばないはどちらでもいいと思っています。そのうえで、学ぶことが当たり前の選択肢の一つとしてあれば、選べる道が増えるのではないかと考えています。



学ぶことって、資格に限りませんけど、すごく特別なことのように見られるときがありますよね。
でも、本来は全然特別なことではないんです。子どもの頃からやってきたことですし、大人になってからも、学びたいならやればいいと思います。「勉強したいからする」でいいんですよね。
資格を選ぶときは「学ぶ目的」と「仕事の条件」を分けてみる


学びたい理由は、一つとは限りません。興味のある分野を知りたい気持ちと、仕事や収入につなげたい気持ちが、同時にあることもあります。



「稼げそう」「就職できそう」という目的で資格を取るなら、本当にその資格で目的を達成できるのかを考える必要がありますよね。
自分が持っているものの延長線上で学びを考えることと、ある目的を達成するための方法を考えること。その方法は資格ではないかもしれないし、学ぶこと以外かもしれません。



資格ランキングから選ぶというより、自分を軸足にして、そこから伸ばしていった先にある選択肢として、参考にしていただきたいんです。
「あなたは今、何を食べたいですか」というところから始めるようなものですね。メニューを渡されて「このなかから、どれか選びなさい」と選ぶことと、「今、食べたいものに合うのは、これかこれだな」と選ぶこと。見た目には同じ「選ぶ」でも、そのあとは全然違うと思います。
自分は何をしたいのかに向き合って、そのうえでランキングなどをうまく使ってほしいですね。
新しく学ぶ前に、これまでの仕事で身についたものを探す


AIや新しい技術の話題に触れると、今までとはまったく違うことを始めなければいけないように感じることもあります。この話題で、私が先生に伝えたのは、経験との掛け合わせでした。



私が関わってきたWebの仕事では、AIを学ぶ必要性が、すでに差し迫ったものになっています。
仕事が変わると、「自分の能力や存在意義は何なんだろう」という迷いも出てくるのではないでしょうか。
今までの経験を全部捨てて、AI、AIとなるのではなく、その人が積み上げてきた経験や能力とAIを掛け合わせる。そこを考えることも大切なのかなと思っています。



新しい世界に異世界転生するわけではないですからね。
自分のキャリアの延長線上で考えなければいけない、ということだと思います。



私は求職者のキャリア相談にも関わっているのですが、WordやExcelなどを学んで、事務職を目指す方がいます。
学ぶこと自体は大切だと思いつつ、「使えるようになりました」というところから、実際の仕事につなげる難しさも感じています。これはそのまま相談の場でお伝えしている話ではないのですが、学んだことや資格を仕事につなげるには、何を考えればいいのだろうと思っていて。



自分が持っているものや、興味があるものを軸にすることですね。
仕事にするなら、「好き」と「できる」と「やってほしい」が重なる場所がいいなと思っています。
好きでなければ、続けるのがつらい。でも、好きでもできないことや、向いていないことは実際にあります。さらに、世の中であまり求められていなければ、仕事にはしにくい。その三つが重なるところを見つけられるといいですね。
育児中の勉強方法は、机に座れることを前提にしなくてもいい
学びたいことが見えてきても、実際の生活で教材を開けなければ続けにくいものです。対談では、紙とデジタルの使い分けについても話しました。



私は子育て中の女性に、デジタルもおすすめしたいと思っています。私自身、暗い部屋で子どもをおんぶしたり、寝かしつけたりしながら勉強していました。そういう状況でも勉強できるのが、デジタルのよさだと思います。



インプットは紙のほうがいいかもしれませんが、ちょっとした隙間時間に問題を解くときなどは、私もデジタルツールを使っていました。
○×問題などで、隙間時間に少しでも勉強できるよさがありますよね。そういうところでは、デジタルも使いやすいと思います。
勉強法にはオススメはありますが、正解はありません。
人によって得意な勉強法好きな勉強法は異なります。自分なりにカスタマイズもちろんOK。いろいろ試してみて続けやすい方法を見つけましょう。
- 机を使えるときは、テキストを開いて全体の流れを読む。
- 短い時間しか取れないときは、一問だけ解いてみる。
- 手を動かせるときは、わからなかったことをメモに残す。
これは使い分けの一例です。紙が合う人も、スマートフォンだと集中しにくい人もいます。大切なのは、自分が使える方法を見つけることです。
続ける工夫と、負担が大きすぎない選び方を両方持つ



女性の学びというテーマに戻ると、いろいろなことに力を分けなければならない方もいますよね。私もそうなんです。
ある程度続けることが必要だとしても、「先生ほどは頑張れません」と感じる方もいると思います。そういう方には、先生ならどう声をかけますか。



私も、決めたことに全部の時間や力を投入できているように見られがちですが、そうではないんですよ。やらなければいけない仕事がたくさんありますし、勉強や好きなことばかりしているわけではないんです。
それでも、工夫しながらできることはあります。使える時間や力が少ないことを、自分がやらない理由や、失敗するときの保険にしてしまうと、やらない理由を探すことになってしまう気がします。そう考えている時間があるなら、今すぐやってみたほうがいいですね。



ただ、先生にとって資格の勉強は得意分野でも、別の方にとっては、すごく労力がかかることもあると思うんです。
その方にとって負担が大きすぎないものを選んで、できる範囲で、しつこく続ける。そこも大切になるのかなと思います。



得意分野のほうがいいとは思います。でも、得意ではなくても、しつこく続けると形になることはあります。
私もけん玉を始めたんですけど、もともと素養は全然ないんです。たくさん時間を投入しているわけでもありません。でも、短い時間にぎゅっと集中して、失敗した理由を考えて、試行錯誤する。それを日々続けていると、ある程度はできるようになるんです。
毎日5分やったとしたら、次の日までの23時間55分には、考えることができます。
「こうしてみればいいんじゃないか」と考えて、翌日に試す。実際に練習していない時間にも、理解を深めることはできると思います。


学んだ先の働き方も、暮らしに合わせて選び直せる



ママ友の1人は、在宅でWebの仕事をしてきたのですが、単価が低く子どもも大きくなってきたことから、保育士の資格も持っていたので、現在は保育士として働くことにしたようです。「癒やされる」と話しながら笑顔で働いています。
在宅で働くのがよかった時期もあれば、別の仕事のほうが合う時期もある。私自身も、Webライターの仕事の先行きを考えて、働き方を変えてきました。その時々で選び直せることも大切だと思います。



コロナ禍を経て、オンラインでのやり取りを多くの人が経験しました。リアルとオンライン、それぞれのよさを知って、使い分けることも当たり前になってきましたよね。
いろいろな働き方が選択肢としてある状態で、それをどう自分に活かすかを選ぶ段階に入ってきているのではないでしょうか。
おわりに|今の生活から、次の学びを考える


私が今回の対談で大切にしたかったのは、学び直しを、生活から切り離して考えないことでした。
子どもの年齢、働く時間、使えるお金、これまでの経験。同じ資格に興味を持っていても、そこに向かう道筋は一人ひとり違います。
はやし先生からは、自分の興味を大切にすること、経験の延長線上で学ぶこと、短い時間でも試行錯誤を続けることを伺いました。
私はそこに、その人が今使える力や、暮らしの条件も重ねて考えたいと思っています。
まずは、気になっている学びを一つと、今の生活で大切にしたいことを一つ、並べて書いてみる。
すぐに始めるかどうかも含めて、自分に合う選択を考える時間にしていただけたらうれしいです。
はやし先生、生活と学びの両方に目を向けながら、一緒に考える時間をありがとうございました。












